...ついでながら、彼はこの著書を深く固く信じていたのである...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...ついでながらこの物騒な物は『クルックド・マン』に見られたシャーロック・ホームズの冒険の昔から他殺と見誤られるような工合に人を殺して来ている...
井上良夫 「J・D・カーの密室犯罪の研究」
...ついでながら、警官諸公に、少しばかりぼくの計画をもらしておく...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...ついでながら申しますが...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...神品に近い秀抜のお歌も、このとしには続々とお出来になりました御様子でございますし、のちに鎌倉右大臣家集とも呼ばれ、または金槐和歌集とも称せられた千古不滅の尊くもなつかしい名歌集も、このとしの暮にひそかに御自身お編みになられたものらしく、鎌倉右大臣家集或いは金槐和歌集といふ名前などは、もちろん将軍家のおなくなりになつて後に附せられたものでございませうが、ついでながら、金槐の金は鎌倉の鎌の偏をとつたものの由で、槐は御承知のとほり大臣を意味する言葉ゆゑ、金槐とは鎌倉右大臣の事でございますさうで、私たちには思ひ出も悲しくさうして今ではあのお方の御俤をしのぶ唯一のお形見ともなつたあの御歌集が、御年わづか二十二歳で完成せられたとは、あのお方の、やつぱり、ただ人でないといふ事の何よりの証拠ともならうかと存ぜられます...
太宰治 「右大臣実朝」
...ついでながら、この将軍家の最も御寵愛なされてゐた新兵衛尉朝盛さまさへ、この五月の兵乱には、やつぱり和田氏御一族に従ひ、黒衣の入道の姿で御ところへ攻め入つたのでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...ついでながら徒然草(つれづれぐさ)に...
太宰治 「鉄面皮」
...なおついでながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...ついでながら見本としてこの絵本の第一ページの文句だけを紹介する...
寺田寅彦 「火事教育」
...ついでながら、揺れる電車やバスの中で立っているときの心得は、ひざの関節も足首の関節も柔らかく自由にして、そうして心もちかかとを浮かせて足の裏の前半に体重をもたせるという姿勢をとるのだそうである...
寺田寅彦 「「手首」の問題」
...ついでながら、彼がわずか四つで母に別れながら、その後一生を通じて、母の面影やその慈愛を、『あたかも自分の眼の前に母親が生きて立っているかのように』まざまざと覚えていたことはすでに述べたとおりである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...というのはシュレミング團の一員で(ついでながら申し上げますれば...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...殺された「二賊首」というのは――ついでながら...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...詳しくは同署へお問い合わせ下されたく、その前に、島田家の北隅にある物置に昨夜より気の毒な男がとじこめられおり候につき大至急解放いたしやり下され度候、ついでながら、これより安田銀行に赴き、島田の預金はすべて引き出しおき申すべく候につき同人によろしくお伝え下されたく、同人は役にもたたぬ古(ふる)帳面を火傷(やけど)をしてまでにぎりつめおりしこと気の毒にたえず候、島田の所有せし現金は、いずれ公共事業のため適当に処置仕(つかまつ)るべく、勝手ながら処分かたご一任下されたく候、いずれ近々別様の方法にて、別の場所にてお目にかかり申すべく候、甲刑事は目下小生と同乗昨夜の物語りをして笑いおり候、最後に一言いたしおきたき儀は、小生らは決して善良なる市民に迷惑を及ぼすことはいたさず候につきご安心被下度(くだされたく)候、まずは取り急ぎ要用のみ...
平林初之輔 「祭の夜」
...ついでながら名をシルリングといった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...ついでながら我々はカントの自我或ひは意識一般をフッサールのいふ純粹意識の如く解することを避けねばならぬ...
三木清 「認識論」
...」――ついでながら...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...「忍藻御(おしもご)は熊に食われてよ」――――――――――――――ついでながらこのころ神田明神は芝崎村といッた村にあッてその村は今の駿河台(するがだい)の東の降口の辺であッた...
山田美妙 「武蔵野」
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