...ちりぢりにどこかへ駈(か)け出して行った...
芥川龍之介 「少年」
...ちりぢりばらばらになってしまった...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「ひこうかばん」
...八方へちりぢりになったものだから...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...一つの部屋で兄の寝顔を見るなんて――」貧乏人は親子ちりぢりに働かなくては食ってゆけない...
戸田豊子 「歩む」
...ちりぢりになつてゐる...
林芙美子 「愛する人達」
...公園の夜霧のなかへ子供たちはちりぢりに消えて行っている...
林芙美子 「貸家探し」
...そして今ではお互はちりぢりばらばらになって...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...浴客たちの一座はちりぢりになった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...」とねずみはみんなちりぢり四方に逃げました...
宮沢賢治 「クねずみ」
...女房たちは皆ちりぢりに去ってしまったあとに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一味ちりぢりバラバラ...
吉川英治 「江戸三国志」
...五十騎とちりぢりに馳けてきた将士が...
吉川英治 「三国志」
...ことごとく散々(ちりぢり)になっていたのである...
吉川英治 「三国志」
...ちりぢりにさまよわせている子や妻や愛する者たちへのつぶやきかとも解いて解かれないことはない...
吉川英治 「私本太平記」
...すると原の道をちりぢりにくる人かげが見えだした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...凱歌(がいか)の陣(じん)に見物されながら、ちりぢりに、あとの生活のあてもなく、落ち別れてゆく人々の姿と心はさまざまだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...散々(ちりぢり)に...
吉川英治 「親鸞」
...その遠方此方(おちこち)を、嘉治さん、Oさん、社長さん、悟空子、権宮司さんなど、影ちりぢりに、佇んだり、腰かけたり、うそぶいたり、しばらくはただ海潮音と松風の暗い中に、黙りあっているだけのこと...
吉川英治 「随筆 新平家」
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