...侍女二 長う太く、数百(すひゃく)の鮫のかさなって、蜈蚣(むかで)のように見えたのが、ああ、ちりぢりに、ちりぢりに...
泉鏡花 「海神別荘」
...またちりぢりに乱れ流れた...
梅崎春生 「狂い凧」
...八方へちりぢりになったものだから...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...ちりぢりに各々目ざす方へと散って行った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...御維新になつてからはそれらの人はみんなちりぢりばらばらになり...
中勘助 「銀の匙」
...我々はみな散々(ちりぢり)バラバラになっているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから二人でちりぢりになつても...
林芙美子 「朝夕」
...みんなちりぢりになっても文句はいえないのだから...
林芙美子 「お父さん」
...學生生活を離れて遠くにちりぢりになつてゆく一抹の淋しさが...
林芙美子 「就職」
...人ちりぢりの眺め...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...いったんはちりぢりになった同勢が...
水上滝太郎 「九月一日」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...つまらぬ田舎(いなか)の人になったりちりぢりに皆なってしまいました...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鼠は浜に引上げられて皆ちりぢりに遁(に)げうせ...
柳田国男 「海上の道」
...一家親子がちりぢりに駆け落ち夜逃げなどをすることでこざいます」「しかも...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...やがてちりぢり麓(ふもと)へ下りて行った...
吉川英治 「私本太平記」
...ちりぢりに異なる次への運命にわかれ去っていたものであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...わざと挨拶を交してちりぢりに別れて行ったのであるが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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