...目にちらつくほど待ったがね...
泉鏡花 「歌行燈」
...真白(まっしろ)にこうちらつく工合は...
泉鏡花 「婦系図」
...薄明りが眼の前にちらつくように思った...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...時々ちらつく金鎖に...
田澤稲舟 「五大堂」
...ぼんやり縁に坐つてゐる、――蝶がとぶ、とんぼがからむ、蜂がなく、虫がなく、木の葉がちる、小鳥がちらつく、――私の沈んだ情熱がそこらいちめんにひろがつてゆく...
種田山頭火 「其中日記」
...五十鈴川)そのながれにくちそゝぐたふとさはまつしろなる鶏の若葉のにほひも水のよろしさもぬかづく(二見ヶ浦)春波のおしよせる砂にゑがく旅人として小雪ちらつくを(津にて)・けふはこゝにきて枯葦いちめん・麦の穂のおもひでがないでもないこどもといつしよにひよろ/\つくし春の夜の近眼と老眼とこんがらがつて影は竹の葉の晴れてきさうな春めく雲でうごかない(辨天島)すうつと松並木が...
種田山頭火 「旅日記」
...眼の前にちらつく美しい着物の色彩が言い知らず胸をそそる...
田山花袋 「少女病」
...ちらつく両眼を無理に据(す)えて...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...広島の惨劇がまだ目さきにちらつく私には...
原民喜 「小さな村」
...不思議やお勢の姿が目前にちらつく...
二葉亭四迷 「浮雲」
...今日新橋で分れた人々の面が目前にちらつく...
二葉亭四迷 「旅日記」
...何か目まぐるしく眼前にちらつくのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...「目の前にちらつくは短剣か?」と...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...ふしぎに水中にちらつく或る影を見つけた...
室生犀星 「蛾」
......
森鴎外 「渋江抽斎」
...そのかげにちらつく眼をそばめた母の顔が意地の悪い冷いものに思われるのだった...
矢田津世子 「父」
...時々ははるか対方(むこう)の方を馳(は)せて行く馬の影がちらつくばかり...
山田美妙 「武蔵野」
...まだ眼にちらつく死人の顔を忘れようとして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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