...今度は前よりも近々(ちかぢか)と...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...赤くかわいた口びるからもれ出るあの囈言(うわごと)……それがどうかすると近々(ちかぢか)と耳に聞こえたり...
有島武郎 「或る女」
...親からは近々(ちかぢか)当地へ来るから...
岩野泡鳴 「耽溺」
...店を譲って近近(ちかぢか)帰って来ると云う手紙がその朝の郵便で来た...
田中貢太郎 「白っぽい洋服」
...もう近々(ちかぢか)に帰りますッて――いいえ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...――ちょうど第一師団が近々(ちかぢか)にでかけるというンで...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ちかぢかに中佐の二番娘がやって来るというので...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...近々(ちかぢか)に房州へ帰らなければならぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...近々(ちかぢか)...
久生十蘭 「あなたも私も」
...いつもよりちかぢかと見える真向うの小山の上に捲き雲が一かたまり残っているきりだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...ときどき片側の枯木林を透かしながら赤岳だの横岳だのをちかぢかと目に入れたり...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...まるで直ぐの窓上の空ででもあるかのようにちかぢかと澄んで耳を突く...
牧野信一 「鬼涙村」
...わたしは貧窮を、年収二千エキュの彼方にも、あたかもそれがわたしの真向いにあるのと同じように、ちかぢかと見る...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼はちかぢかとお杉の首を見ようとして降りていった...
横光利一 「上海」
...「ちかぢかまたお会いしましよう...
横光利一 「旅愁」
...近々(ちかぢか)のまに...
吉川英治 「新書太閤記」
...近々(ちかぢか)に下向なさるとこの前の書面にあったが』と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...いずれ近々(ちかぢか)には...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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