...名の知れぬ骨壺(こつつぼ)のあたりに垂れて咲きみだれるのだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...今も今とて ふくろふの笛は足ずりをしてあをいけむりのなかにうなだれるお前のからだをとほくへ とほくへと追ひのける...
大手拓次 「藍色の蟇」
...すべてしろいもののなかにかくれふしてゆく僧形(そうぎやう)のばらの花、ただれる憂欝、くされ とけてながれる悩乱の花束、美貌の情欲、くろぐろとけむる叡智(えいち)の犬、わたしの両手はくさりにつながれ、ほそいうめきをたててゐる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...身も心もみだれる酒だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...雨は少しおだれるかと思うと...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一重ざくらが散りみだれる庭に立った...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...不幸や悲惨の前に無力に首をうなだれる吉田ではなかった...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...大きな門……」彼は低く低くうなだれるように応えた...
原民喜 「忘れがたみ」
...すこし首をうなだれるようにして歩いてゆく...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...みだれる髪の毛を手拭(てぬぐ)いでうしろに縛りあげていた...
本庄陸男 「石狩川」
...だれるばかりに噺を運んでいて...
正岡容 「小説 圓朝」
...両手をついて深くうなだれると...
山本周五郎 「日本婦道記」
...シッカリ閉じた両眼から涙をハラハラと流してうなだれると...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...それから如何(いか)にも面目無い恰好(かっこう)でグッタリとうなだれる拍子(ひょうし)に...
夢野久作 「冗談に殺す」
...思わずゾッとしながら自分の罪の姿の前にうなだれる事になる……こんな事が度重なるうちに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しかし泰家にはその塵煙(じんえん)や草ぼこりのうちを駈けみだれる凄(すさ)まじい騎影や歩兵が...
吉川英治 「私本太平記」
...果ては人目もなく声を放って泣きみだれる上さえあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...女郎花(おみなえし)の黄いろい穂がしなだれる...
吉川英治 「親鸞」
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