...口鬚(くちひげ)がたらりと生えていた...
太宰治 「ロマネスク」
...しもぶくれの顔に口鬚をたらりと生やしたままで蔵から出て来た...
太宰治 「ロマネスク」
...たらりと下った口鬚(くちひげ)をひねりひねり酒を呑んでいた...
太宰治 「ロマネスク」
...顔の下半分がだらりと弛んで髯もじゃのへたらりと涎が流れた...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...それがとうとうたらりと流れ込むので...
中里介山 「大菩薩峠」
...あぶらのように柔らかいからだが砂利の間にたらりと零れると...
室生犀星 「とかげ」
...たらりと白く垂れ下っているばかりの静けさで...
横光利一 「旅愁」
...わが胸の鼓のひびきとうたらりとうとうたらり酔へば楽しきといふ歌を版画化したものである...
吉井勇 「老境なるかな」
...紫の布を頭巾結びにたらりとつつみ...
吉川英治 「大岡越前」
...たらりと眼じりから涙を垂らした...
吉川英治 「剣の四君子」
...蜀江織(しょっこうおり)の薄むらさきの鸞帯(らんたい)――つまり大事な物入れとして肌身につけておく腹おび――に、釵(かんざし)にでもなりそうな翡翠玉(ひすいだま)と瑪瑙(めのう)の付いた括(くく)り紐(ひも)が、たらりと、それにかかっている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...たらりと下がった緋縮緬(ひぢりめん)にからんで白い脛(はぎ)がそこから庭土(にわつち)を踏もうとすると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...たらりと頭巾にしていた...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...袴(はかま)の襞(ひだ)もたらりと――絡(から)げもせずに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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