...たゆたう小舟の帆影を...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...ひとすぢの香の煙のやうに私の顔にたゆたうて来た...
薄田泣菫 「独楽園」
...感じ易いものの姿で蒼くたゆたうてゐるさまが...
太宰治 「右大臣実朝」
...生きて心のあるもののやうにたゆたうて居りまして...
太宰治 「右大臣実朝」
...幽潭の底を覗いた時のやうな何やら朦朧と烟つてたゆたうてゐるあたりに...
太宰治 「お伽草紙」
...日暮れどきの明るみが海の上をたゆたうのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...あれらの転生宗教家連が信ずる如く夫々命を持つてたゆたうてゐると思はれた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...森の樹々のたゆたう波の上に絶間(たえま)なく黄ろい焔を散らす青金の火の円のすがたして...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...青い空の清らかな深淵を北の方にたゆたう鷹があった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...たゆたう瞬間の思いをうたっているのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...モデルを見てたゆたう...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...雲のたゆたう丘の上(ヘ)にほろり散つたはべに椿呼べども逝つた春の日の悲しい私のゆめかしら柳の新芽もほの匂ひ燕も来たに口づけて水に流した木(モク)れんはどこへ流れて行つたやら...
森川義信 「帰らぬ春」
...たゆたう光の群れよる街角に洋傘のような日覆が赤と黄色の縞新しく...
横光利一 「旅愁」
...夕焼空の色が放牧の馬の背にたゆたうてゐた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
便利!手書き漢字入力検索