...たとえば学校へ参りましても...
芥川龍之介 「疑惑」
...たとえば、これもやはり私の洗面台の問題の一つであるが、前夜にたてた風呂(ふろ)の蒸気が室(へや)にこもっているところへ、夜間外気が冷えるのと戸外への輻射(ふくしゃ)とのために、窓のガラスに一面に水滴を凝結させる...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...たとえば花を包んだ千代紙のような論文がドイツあたりのドクトル論文にはおりおり見受けられる...
寺田寅彦 「備忘録」
...たとえば英国のごときもいわゆるかのバジョット氏が言のごとく「ヘンリー第八世の奴隷的の国会は一変してエリザベス女王の不平的の国会となり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...たとえば次のような句をこしらえ上げた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...陽春白雪の詩には和するもの少なしの喩(たとえ)も古い昔からある事だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...たとえばギルレイとシルバデール公爵との関係とか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...たとえば席の表へ掲げる看板一つにしても...
正岡容 「わが寄席青春録」
...私もしばらくは耐(こら)えて膝(ひざ)を両手で抱(かか)えてじっとしていましたけれどもあんまり蜂雀がいつまでもだまっているもんですからそれにそのだまりようと云ったらたとえ一ぺん死んだ人が二度とお墓から出て来ようたって口なんか聞くもんかと云うように見えましたのでとうとう私は居たたまらなくなりました...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...たとえば、みなさま御存知の経済安定本部――安本――あそこはたしかに抽象がすきです...
宮本百合子 「新しい卒業生の皆さんへ」
...たとえば石井柏亭のところへ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その断り方にはのぞみがなく、どうしても書けないときっぱり言い切っているが、先客は断わられるのも覚悟して遣って来たものらしく、なまなかのことで承知しないで、たとえ、三枚でも五枚でもよいから書いてくれるようにいい、引き退がる様子もなかった...
室生犀星 「芥川の原稿」
...たとえば熊本の附近では猫(ねこ)もらい...
柳田国男 「こども風土記」
...たとえ内証にしろ蔭ながらいたわり愛しかつ同情したということはやはり相当の勇気のいることにちがいありませんもの...
柳原白蓮 「私の思い出」
...たとえば昨今では...
吉川英治 「私本太平記」
...たとえ朝廷の軍であろうと今は忍べるときではない...
吉川英治 「私本太平記」
...たとえそのいずれの貨物の生産に必要な労働量には増減がなくとも...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...たとえていえば人相のようなものである...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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