...たった一人生き残った母親へ心配を懸けたくないと思ったので...
海野十三 「三角形の恐怖」
...一等国と称せられるにいたった...
丘浅次郎 「民族の発展と理科」
...たったいま、電車が通過した跡の様子でございました...
太宰治 「誰も知らぬ」
...それゆえに数万人の――いやもっともっと多数の知識の集積と結論できよう!たったひとりのおれでさえ永いながいそして複雑な歴史の結果であり将来の原因となり得るのだたったひとり独房の中で考えているおれでも全体の中の部分だ!だがこの推理は至って抽象的で...
陀田勘助 「全体の一人」
...納戸色(なんどいろ)になった水には寒い風が吹きわたった...
田山花袋 「田舎教師」
...線にあたった人はふしあわせというほかはない...
寺田寅彦 「時事雑感」
...たった一人の肉親さえなくて...
野村胡堂 「胡堂百話」
...たった一人で隠れてカチュウシャの映画を毎日見に行ったものであった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...たったひと言だったけれど...
正岡容 「寄席」
...かえって又たった独りは閉口ですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たった今でも死んでよいのなら死んでみせると思うので...
森鴎外 「阿部一族」
...その袋の中には赤い丸薬がたった三粒ありました...
夢野久作 「若返り薬」
...俺ア詫びに来たんだ一目顔を――」「それ程、見てえものならば、うぬが生ませた餓鬼だけは、たった今、ここへ連れて来てやるから、背負って帰るとも、殺すとも、好きなように始末をしろよッ」毒舌にまかせて、こう吠えると、権内は、土蔵部屋の戸を開けて中へ躍りこんだ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...たったいま、自分のいった言に、彼はひとりで低徊する...
吉川英治 「私本太平記」
...たった一組の鎧(よろい)をあき箱の上にかざり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...さらに広く諸国へまでわたった...
吉川英治 「親鸞」
...……わしがいったのは、供も連れず、たったひとりで、国香が旅へ追いやった童...
吉川英治 「平の将門」
...ここから一里ほどもない駿河湾の静浦、江の浦のあたりまでも、もう一面な低い雲に蔽(おお)われて、たった今まで、陽のあたっていた海面(うなも)が、一尺の水面も見えなくなっていた...
吉川英治 「源頼朝」
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