...アクチニオ四十五世のうしろに並んで新月(しんげつ)を拝んでいた同形(どうけい)の修行者たちはただの一人も見えなかった...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...わたしが寝ぼけてるって、ただの夢だって、……気の迷いだって...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...之はただの物質の生産ではないという意味で...
戸坂潤 「技術へ行く問題」
...之は結局それまで遍歴された諸矛盾のただの切り捨てであって...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...そうでない思想は思想ではなくてただの固定観念にすぎない...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...下ってるのはただの汚れた古外套だった...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...また人間はただの動物とは異っている...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...あんたでもいなかった日には――あんただの...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...幼児の一面はまたただの本能そのものである...
羽仁もと子 「たましいの教育」
...このお二人はただの下品な詐欺師です」再びコーラなる女は笑ったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...ただの一人も見なかったと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々はこういう道を歩んだらしい古人を、ただの二、三人しか聞き知らない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...上京以来ただの一度もなく...
山之口貘 「私の青年時代」
...ただの人形美ではない...
吉川英治 「私本太平記」
...ただの一民じゃよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵を近づけまいとして、その濛々(もうもう)と煙る中から、釜のふただの、薪だの、火箸だの、土器などを、所きらわず投げつけてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それともあれがただの猫で...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
...ただの川原でなく...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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