...ここのはただの溝のにほひに違ひないが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ただの一秒もぐずぐずしているときではないと思いました...
海野十三 「怪塔王」
...ただの一人も艇内に発見されなかったけれど...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...ただの一ルーブリだって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...ただの死んだ鏡には無論こうした能動性はない...
戸坂潤 「科学論」
...金持の息子が遊んでいて自分達だけが兵隊に採られるのは怪しからんというのならばそれはただの直接感情としての不平の表現に過ぎないのであって...
戸坂潤 「社会時評」
...長浜の岸を飛ぶ一人の急飛脚――ただの飛脚ならばなんでもないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただの一度も晴れた日に逢わない...
久生十蘭 「海難記」
...ただの一度も愛(いと)しらしい言葉を掛けられたこともなかッたから...
久生十蘭 「湖畔」
...パパもママもただの一日も人間らしい寝かたをしていない...
久生十蘭 「だいこん」
...ただの女性、ほとんど路肩で失神している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...実際ただの旅をするにしたって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ひとりはただの士卒だが...
吉川英治 「三国志」
...しかし、ただの変屈か、いまの世にあきたらない慨世(がいせい)の人か、それとも生来、清隠を好んで世俗の塵埃(じんあい)をいとうだけの者か、その辺の心事は、当人のほかは誰も知らない...
吉川英治 「私本太平記」
...ただの母性愛と重たい国母の保育とを身一つにしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...ただの光でもない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「――なんだろう?」「ただの犬の声じゃないが」耳も目も奪われている形で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...私は高等学校で教えている間ただの一時間も学生から敬愛を受けてしかるべき教師の態度をもっていたという自覚はありませんでした...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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