...ただの一行半句も認(したた)めてないのである...
海野十三 「軍用鼠」
...そりゃアただの博奕なんかよりは性(しょう)が悪いだけに...
大阪圭吉 「あやつり裁判」
...やっぱしただのなまけものじゃったわ...
太宰治 「ロマネスク」
...ただの灰の塊(かたまり)が降るとばかり思っていた自分にはこの事実が珍しく不思議に思われた...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...下手をするとただの合言葉に終って了うかも知れないのだ――文学を思想の科学の角度から取り上げるのは...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...ただの学者や専門家に止まらずに思想家の域にまで到達している人が...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...ただの科学に於ける芸術至上主義のようなものをしか意味し得ない筈だ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...その上この親方がただの親方ではない...
夏目漱石 「草枕」
...それはただの一遍で...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...どうせただの鼠(ねずみ)じゃあるめえ」「御守殿(ごしゅでん)お茂与を親分知りませんか」「何? 御守殿お茂与? あれが御守殿のお茂与の化けたのか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただのおどかしだということですぜ...
牧野信一 「鬼涙村」
...多田満仲(ただのみつなか)の弟...
南方熊楠 「十二支考」
...ホモイのお父さんがただの白い石になってしまった貝(かい)の火を取りあげて...
宮沢賢治 「貝の火」
...3245嘘(ふ)き掛けたただの一息で...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それは始め乱世に処するためのただの用心慎重にすぎなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その揺れに――ただの風ではない意志をあらわすために――彼は長く引いたり小刻(こきざ)みに引いたりした...
吉川英治 「黒田如水」
...ただの喧嘩なら飛び出して後ろへ廻るがそうも行かねえ」彼方(あなた)に離れて...
吉川英治 「剣難女難」
...「院の北面に勤(つか)えまつる多田蔵人行綱(ただのくろうどゆきつな)でござる」と...
吉川英治 「親鸞」
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