...啻(ただ)に二三子に止らざりしを以て...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...ただ彼等はその「事實」のどれだけも尊いものでないことを併せ知つてゐた...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...いち早くただ一人...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...ただ孔乙己(こういっき)が店に来た時だけ初めて笑声を出すことが出来たので...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...よく相談して見て呉れと云ふただけ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「ただ今忍歯王(おしはのみこ)がおいでになりまして...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...やっぱりただの仲好しや思てるやろうと...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...ただ癪に触ることがあるから母のところに帰って店を休んでいる...
近松秋江 「霜凍る宵」
...図抜けて頭のいいよく出来るただの学士も捜せばいくらでも居るであろう...
寺田寅彦 「学位について」
...ただ事実をじっと考えたかった...
豊島与志雄 「反抗」
...其処にただ一つの出口を持ってるかのようである...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰(つぶ)れて...
夏目漱石 「夢十夜」
...ただ呆気(あっけ)に取られるばかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その人の心眼に何がうつったか? ただ...
長谷川時雨 「九条武子」
...その顔にはただ激しい焦慮の色が漂ひ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ただかかる不自然さが蔓(はびこ)るばかりに...
柳宗悦 「民藝四十年」
...やがて赤々と沈む陽をただ見ていた...
吉川英治 「私本太平記」
...だからふだんは凡(ただ)の問屋でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??