...ただ笑ったり、怒鳴(どな)ったり、あるいはまた子犬の腹を靴(くつ)で蹴(け)ったりするばかりです...
芥川龍之介 「白」
...ただ私はまだその境界を捨て切ることが出来ない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...ただ洋法(ようほう)に取るべきものは熱病(ねつびょう)の治療法(ちりょうほう)のみなりとて...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...洋上にただよいつつ...
海野十三 「太平洋魔城」
...すこし罪だね――私たちはそう言って笑い合っただけで...
谷譲次 「踊る地平線」
...研(みが)き立てた磁器やガラスの食器類が夥(おびただ)しく並んでいて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを題材にして大きな人生を展開しただけだ...
田山録弥 「レイモンドの『農民』」
...ただいちばん面食らわされるのは...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...ただこうしてながめていたばかりよ」お松は...
中里介山 「大菩薩峠」
...事実、茂太郎は、猛獣毒蛇にも及ぼす魅力を信じているのですから、いかなる禽獣(きんじゅう)ともお友達づきあいができるものと、保証をしているのに、ただ一つ、度し難い動物に猫がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...その決定はただKの意見にだけかかっているが――ただ伽藍(がらん)だけを...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...あっしは御出役でも何でもねえ、あなたとちがって、ただの御用聞...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...と申すは只(ただ)の鑢は鋼鉄(はがね)を斯(こ)うして斯う遣れば私の手にもヲシ/\出来るが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ただ拙者はそう思っているのだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...聡明(そうめい)なしかただとも思ったのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ただそれらが後の世の人々のためになり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あたしゃまあ値段を聞いただけでつんのめりそうになっちゃったわ」いつものとおり...
山本周五郎 「季節のない街」
...ただそれが美しい修辞法で巧みに蔽(おお)われているだけにすぎないのだ...
山本周五郎 「留さんとその女」
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