...見えつつ、幻影(まぼろし)かと思えば、雲のたたずまい、日の加減で、その色の濃い事は、一斉(いっとき)に緋桃(ひもも)が咲いたほどであるから、あるいは桃だろうとも言うのである...
泉鏡花 「瓜の涙」
...町のたたずまいは古ぼけている...
梅崎春生 「幻化」
...町のたたずまいを確めるためだ...
梅崎春生 「幻化」
...或洋間のたたずまい...
高浜虚子 「俳句への道」
...なるほど、水の流れ、山のたたずまい、さも落人(おちうど)の栖(す)みそうな地相である...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...夢幻のようなたたずまいを眺めているうちに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...彼らの中の古老は気象学者のまだ知らない空の色、風の息、雲のたたずまい、波のうねりの機微なる兆候に対して尖鋭(せんえい)な直観的洞察力(どうさつりょく)をもっている...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...じじむさいような木石の布置(たたずまい)が...
徳田秋声 「挿話」
...その辺の物々しいたたずまいを見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空の中にある満々と張りつめたもののたたずまいをぼんやりとながめていたが...
久生十蘭 「肌色の月」
...雲のたたずまいが険しく...
堀辰雄 「ほととぎす」
...山のたたずまいに関しては...
本庄陸男 「石狩川」
...さては「馬のす」の釣竿しらべている主のたたずまいに軒低く天井暗かりし震災以前の東京の町家の気配をさながらに目に泛(うか)べられる人...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...防風林にかこまれた農家のひっそりとした聚落(しゅうらく)や遠く近く点々と茂っている落葉松(からまつ)林のたたずまいなど見るものすべてがどこかに秋のふぜいをもっていた...
山本周五郎 「新潮記」
...お待ちうけらしいたたずまいである...
吉川英治 「私本太平記」
...草木のたたずまいに至るまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...松のたたずまいや境内の地域は...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...庭のたたずまいを見まわしながら...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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