...長火鉢の鉄瓶がたぎる音を聞くともなく聞き澄ませてゐた...
芥川龍之介 「秋」
...湯沸(サモワル)のたぎる音の外には...
芥川龍之介 「山鴫」
...地下室はわきたぎる鼎(かなえ)の混乱となり...
江戸川乱歩 「影男」
...いまや沸きたぎる人肉のるつぼと化した...
江戸川乱歩 「影男」
...お湯の煮えたぎる音と...
太宰治 「ろまん燈籠」
...ざれうたうれしのうれしやあつい湯のなかでまたの逢瀬をまつわいなわたしやうれしの湯の町そだちあついなさけぢやまけはせぬたぎる湯の中わたしの胸で主も菜ツ葉もとけてゆくもつとも温泉は満喫したが...
種田山頭火 「行乞記」
...またフライパンのたぎるような雑音である...
寺田寅彦 「蓄音機」
...何か胸たぎる想いが湧いて来た...
中井正一 「地方文化運動報告」
...肉スープのたぎるいい香りがこもっている...
永井隆 「この子を残して」
...暑さと高熱にたぎる五体にぬれタオルを巻いて冷やしながら...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...まだその広汎な理解と燃えたぎる深い内心の欲求とを寸分も生かして居らぬのに孫四郎はとも角その卑俗な趣味の偏狭に徹底して...
長與善郎 「青銅の基督」
...生命への煮えたぎるやうな感覺が...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...幾枚かの下着類(したぎるゐ)...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...いつものように私の胸の中は沸きたぎるようだったけれど...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...釜の湯がくらくらたぎると...
柳田国男 「故郷七十年」
...この業(ごう)が煮えたぎるように...
吉川英治 「私本太平記」
...沸(わ)きたぎる釜の湯から酌み出されたそれが...
吉川英治 「新書太閤記」
...裏口へ廻って湯玉のたぎるような熱湯をたたえた洗足盥(だらい)を抱えてきた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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