...机を埋(うず)めていた学生たちがぞろぞろ講堂の外へ流れ出すと...
芥川龍之介 「路上」
...ぞろぞろと出かけました...
江戸川乱歩 「天空の魔人」
...表はぞろぞろ人の行列の足音...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...ぞろぞろ西洋間へひきあげて...
太宰治 「二十世紀旗手」
...恰度墓参に入っていた人々が一団になってぞろぞろ出て来るのに出っくわした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...そこからは露西亜(ロシア)煙草のけむりと一しょに言葉がぞろぞろ這い出していた...
谷譲次 「踊る地平線」
...米粒ほどな小さい可愛らしい蜘蛛が蛍のあとからぞろぞろつながって這い出して来た...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぞろぞろ附いて来る子供を引っ張ってベンチのところへ連れて行くと...
徳田秋声 「足迹」
...ほかの奴もぞろぞろ帰つてきたが...
中勘助 「銀の匙」
...蟻、やすで、むかで、げじげじ、みみず、小蛇(こへび)、地蟲(じむし)、はさみ蟲、冬の住家(すみか)に眠って居たさまざまな蟲けらは、朽ちた井戸側の間(あいだ)から、ぞろぞろ、ぬるぬる、うごめき出(いだ)し、木枯(こがらし)の寒い風にのたうち廻(まわ)って、その場に生白(なまじろ)い腹を見せながら斃死(くたば)ってしまうのも多かった...
永井荷風 「狐」
...ぞろぞろついて来たものだ...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...なんといふ退屈な人生だらうふしぎな葬式のやうに列をつくつて 大きな建物の影へ出這入りするこの幽靈のやうにさびしい影だ硝子のぴかぴかするかなしい野外でどれも青ざめた紙のしやつぽをかぶりぞろぞろと蛇の卵のやうにつながつてくる さびしい囚人の群ではないか...
萩原朔太郎 「青猫」
...俳優達が舞台からぞろぞろ引き上げて来た...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...此(この)老人(としより)の立(たち)ん坊(ばう)と話し乍(なが)ら行(ゆ)く日本人を珍らしがつて附近の子供の一群(ぐん)もぞろぞろと附いて来た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...「……?」官人たちは、お互いに右をみ、左をみ、どっちへ行こうかと、迷っているふうだったが、期せずして、全人員の八割までが、ぞろぞろと、紅い旗の下へ馳け集まった...
吉川英治 「三国志」
...みなもさようには思わぬか」彼に添って、ぞろぞろ、庭上へ降りてきた金沢ノ大夫以下、同族の武将の群れをふりむいて、そう話しかけなどしている...
吉川英治 「私本太平記」
...静慮院(じょうりょいん)と、四王院(しおういん)の阿闍梨(あじゃり)が先に立って、その中には、少壮派の妙光房だの、学識よりは、腕ぶしにおいて自信のありそうな若い法師たちが、中堂の御房(ごぼう)の式台へ、汚い足をして、ぞろぞろと、上がり込んで行った...
吉川英治 「親鸞」
...庵室からぞろぞろもどってゆくのである...
吉川英治 「親鸞」
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