...ああ、こっちに、斜に金の箒(ほうき)をたおしたように見えるのが、にくいモロー彗星だ」千二も、まっくらな空に、気味わるくにらみあっている二つの星をながめて、ぞうっとした...
海野十三 「火星兵団」
...その顔がぞうっとするほどの苦悶(くもん)にみちていたからである...
海野十三 「四次元漂流」
...ぞうっとしました...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...ぞうっとして、急いで、振(ふ)りきって、帰ってきたんです...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ぞうっと寒気を催させる肌(はだ)の色の白さを見ると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぞうっと身ぶるいが出たこともある...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...ぞうっと総毛(そうけ)だつようにおぼえたそうでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...子供の時分からあれを見るとぞうっと総毛立って寒けを催すと同時に両方の耳の下からあごへかけた部分の皮膚がしびれるように感ずるのであった...
寺田寅彦 「自由画稿」
...ぞうっとすることがあるわ」三十月十三日の夜から...
久生十蘭 「雪間」
...ぞうっと肌が寒くなるような狼の声が聞えて来たりするのでした...
北條民雄 「すみれ」
...ぞうっとするような...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...ぞうっとしながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...かれはぞうっとするのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...追かけて来てこっちまで斬られたりしたならつまんねえと思って、こっそり裏から河崎屋んげさ逃してやってすぐこっちに上ったんだけんど……おらほんにやんだわ」血相をかえて話すので、私はぞうっとし、すっかり家中明け放した庭の暗が気味わるく成って来た...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...ぞうっとして寒くなったのを憶えている...
柳田国男 「故郷七十年」
...「あたし聞いてぞうっとしちゃったわ」「ぞっとしたとは...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...あたしぞうっとそうけ立ったわ」「悪い鼬じゃなくってよ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ぞうっと寒気立ってくるわ...
山本周五郎 「めおと蝶」
便利!手書き漢字入力検索