...今日あつらえた地蔵菩薩(じぞうぼさつ)を――仏様でも大事ない...
泉鏡花 「悪獣篇」
...そういう放送によってエーテルの世界が騒々(そうぞう)しく攪(か)きまわされることが厭(いや)でたまりませんでした...
海野十三 「壊れたバリコン」
...二た足三足歩きかけた背後の草履(ぞうり)のおとを聞くと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...私共の村から夏の夕食後に一寸九段下あたりまで縁日を冷(ひ)やかしに往って帰る位何の造作(ぞうさ)もなくなったのは...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...後年(こうねん)四方赤良の一派狂歌の再興を企つるや元禄前後における先人の選集中永く狂歌の模範とすべき吟咏は大抵再選してこれを『万載集(まんざいしゅう)』『才蔵集(さいぞうしゅう)』等に載せたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...誰一人この辺鄙(へんぴ)な小石川の高台にもかつては一般の住民が踊の名人坂東美津江(ばんどうみつえ)のいた事を土地の誇となしまた寄席(よせ)で曲弾(きょくびき)をしたため家元から破門された三味線の名人常磐津金蔵(ときわずきんぞう)が同じく小石川の人であった事を尽きない語草(かたりぐさ)にしたような時代のあった事を知るものがあろう...
永井荷風 「伝通院」
...彼(かれ)は憎惡(ぞうを)と嫉妬(しつと)とを村落(むら)の誰(たれ)からも買(か)はなかつた...
長塚節 「土」
...然れども其効果の僅少なるが爲めに遂に人間至高の價値を没却すべからずいさゝかのことなりながら痒きとき身にしみて人の爪ぞうれしき健康者は常に健康者の心を以て心となす...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...私は彼の生前に雑司ヶ谷(ぞうしがや)近辺をよくいっしょに散歩した事があります...
夏目漱石 「こころ」
...私自身が何層倍(なんぞうばい)歯痒い思いを重ねて来たか知れないくらいです...
夏目漱石 「こころ」
...虚空蔵(こくぞう)などの寺があり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...六のなりの大きな腕白小僧(わんぱくこぞう)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...才蔵(さいぞう)一身(いっしん)に一部(ぶ)の嫉視(しっし)はのこっても...
吉川英治 「神州天馬侠」
...思い思いの寝相(ねぞう)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵(たけぞう)よりは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...(……武蔵(たけぞう)さんだ!)身もおろおろと会いたさに駆られてくるのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...加山耀蔵(ようぞう)のふたりの同心の悪闘――そして名月の夜更けに闇から明るみへ出た花のごとき妙齢の死骸――ふしぎな彼女の死笑靨(しにえくぼ)――おまけに蝋細工(ろうざいく)の欠けたように左手の人さし指がない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...ぴいぴい泣きながら母に抱かれてサジでお雑炊(ぞうすい)か何かを食べさせられていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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