...而してそわそわしながら...
有島武郎 「かんかん虫」
...Y君に、A君と、二人そろって私の家に遊びに来てくれることだけでも、私にとって、大きな感激なのに、いままた、W君と二十年ぶりに相逢うことのできるのであるから、私は、三日もまえから、そわそわして、「待つ」ということは、なかなか、つらい心理であると、いまさらながら痛感したのである...
太宰治 「酒ぎらい」
...彼は何だかひどくそわそわとして...
豊島与志雄 「囚われ」
...妙にそわそわした落着きのない様子だったと...
豊島与志雄 「反抗」
...「人間の生きて行く道よりは、畜生のいきて行く道の方が、気兼ね苦労というものが、かえって少ないのじゃありますまいか、ねえお嬢さん」「何ですって、おじいさん――もし人間の生きて行く道が、つまらない気兼ね苦労ばかりいっぱいで、畜生の道が素直で、安心ならば、わたしはいっそ……」「何をおっしゃります、お嬢さん、それが、あなた方のお若いところです……あの白山へ登るよりは、この白水谷を下る方がずっと楽には楽なんですがね」と言って老人は立ち上り、砂上に置き据えた鎧櫃(よろいびつ)に手をかけた時、お雪が急に、そわそわとして、「おじいさん――まあ待って下さい、急に気がかりなことがありますから、その鎧櫃の中を、ちょっとでいいからわたしに見せて下さいな、今になって気がつくなんて、ほんとに、わたしはどうかしています」六お安い御用と言わぬばかりに、弥兵衛老人が鎧櫃の蓋(ふた)を取って見せると、井戸の底をでも深くのぞき込むように、お雪は傍へ寄って、「わたしが頼んでおきましたのに、今まで忘れていました、さぞ、御窮屈なことでしたろうにねえ」鎧櫃の中には、人の姿がありありと見えているのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は何だかそわそわし出すのです...
夏目漱石 「こころ」
...そわそわしていらっしゃるの」と無理にその上に坐(すわ)らした...
夏目漱石 「それから」
...僕はそわそわして落着がなかつた...
原民喜 「鎮魂歌」
...彼女は非常にそわそわしていたが...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...道綱が何かそわそわとして黙って一通の文を届けてくれたのは...
堀辰雄 「ほととぎす」
...そわそわし出したのをラルフが気づいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...杉本はいても立ってもいられぬようにそわそわした...
本庄陸男 「白い壁」
...様子はそわそわ落ち着かなかった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...女中達はそわそわしてゐたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...しばらくそわそわと歩きまわっていた...
W・W・ジェイコブズ 森郁夫訳 「井戸」
...ただもうその場から帰ってくれれば何よりだというかのように花江はそわそわするばかりなので...
横光利一 「馬車」
...そわそわしている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼はそわそわしている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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