例文・使い方一覧でみる「それとなく」の意味

...それとなく辺りを窺（うかが）うと... それとなく辺りを窺うとの読み方
海野十三「東京要塞」

...差し当たっての彼女の要求をそれとなく匂わした... 差し当たっての彼女の要求をそれとなく匂わしたの読み方
徳田秋声「仮装人物」

...嘉代さんにはそれとなく吹き込んでおいて... 嘉代さんにはそれとなく吹き込んでおいての読み方
豊島与志雄「花ふぶき」

...実は昨夜の泊りから、今朝まで、それとなく、噂（うわさ）に耳を傾けていたのだが、さっぱり静かなものであるのを、むしろ意外としていたくらいのものでありました... 実は昨夜の泊りから、今朝まで、それとなく、噂に耳を傾けていたのだが、さっぱり静かなものであるのを、むしろ意外としていたくらいのものでありましたの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...母は僕の高等学校に這入（はい）った時分それとなく千代子の事を仄（ほの）めかした... 母は僕の高等学校に這入った時分それとなく千代子の事を仄めかしたの読み方
夏目漱石「彼岸過迄」

...それとなくその散文のアトモスフェエルを... それとなくその散文のアトモスフェエルをの読み方
西尾正「放浪作家の冒険」

...八五郎にそれとなく注意もして置きたかつたのです... 八五郎にそれとなく注意もして置きたかつたのですの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...それとなく小梅の寮の様子を見て居た私が... それとなく小梅の寮の様子を見て居た私がの読み方
野村胡堂「銭形平次捕物控」

...それとなくようすを見ていると... それとなくようすを見ているとの読み方
久生十蘭「三界万霊塔」

...それとなくようすを聞いてみると... それとなくようすを聞いてみるとの読み方
久生十蘭「新西遊記」

...お盆を持って動きまわっている少年の水兵さんをそれとなく監督している...
久生十蘭「だいこん」

...それとなくもう一度相談してみたかった... それとなくもう一度相談してみたかったの読み方
本庄陸男「石狩川」

...変態性の危険人物として平常それとなく看視している人間を... 変態性の危険人物として平常それとなく看視している人間をの読み方
牧逸馬「双面獣」

...ときどき表の方を向いてはそれとなく微笑して見せたりした... ときどき表の方を向いてはそれとなく微笑して見せたりしたの読み方
室生犀星「性に眼覚める頃」

...それとなく話を変えた... それとなく話を変えたの読み方
山本周五郎「へちまの木」

...さだめし退屈だろうな」それとなく... さだめし退屈だろうな」それとなくの読み方
吉川英治「江戸三国志」