...それからそれへと思い出されて来るのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...次郎は、腰にさした扇をぬいて、その黒柿(くろがき)の骨を、一つずつ指で送ったり、もどしたりしながら、兄と自分との関係を、それからそれへ、思い出した...
芥川龍之介 「偸盗」
...盜人(ぬすびと)はそれからそれへと...
芥川龍之介 「藪の中」
...それからそれへと限りなくこの最も簡単な空間は細田氏の前に展開して氏の恐怖は地獄を駆けまわっていたことでしょう...
海野十三 「三角形の恐怖」
...そんなことをそれからそれへと...
大杉栄 「日本脱出記」
...それからそれへと取り留めもないことを考える...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...そんな工合にそれからそれへと考へ始めると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...……ふと眼がさめて見たら十時半だつた、本式に寝て、二度目の眼がさめたのが四時、それからそれへ...
種田山頭火 「行乞記」
...それからそれへと移つて行くのが本當ぢや...
田山花袋 「道綱の母」
...そして三野村の話をしかけさえすれば好い機嫌で向うから進んでいろんな話をそれからそれへとするのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...みんな広大な土地をそれからそれへと買い取って...
徳田秋声 「蒼白い月」
...今日のように職業が芋(いも)の蔓(つる)みたようにそれからそれへと延びて行っていろいろ種類が殖(ふ)えなければ...
夏目漱石 「道楽と職業」
...そしてそれからそれへと僕は最近讀み出してゐるプルウストのことを考へてゐるうちに...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...それからそれへ果もなく拡まりました...
牧野信一 「蛍」
...我々の学説はそれからそれへと接木(つぎき)される...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...また東国のことしの正月はどんな? ――などとそれからそれへ雑談を求めて倦(う)むこともない...
吉川英治 「私本太平記」
...通りすがった姿を見かけて、百獣店(ももんじだな)から追ってきた源内は、とんだよい道(みち)づれを見つけた気で、緩々(かんかん)たる歩調とのどかなあるきばなしに、木曾風俗の漫評(まんぴょう)や、御岳山(おんたけさん)の裏谷で採った薬草の効能や、そうかと思うと、近頃、大阪に見えない鴻山(こうざん)はどうしたろうとか、俵一八郎の伝書鳩はどうだとか、木曾のお六櫛(ぐし)に朱漆(しゅうるし)をかけてミネに銀の金具をかぶせ、こいつをひとつ源内櫛と銘(めい)をうって花柳界に流行(はや)らせてみたら面白かろうとか、それからそれへ、とめどもなくしゃべりつづける...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それからそれへ亙(わた)った...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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