...殊に枕をはづすことにはその都度(つど)折檻を加へてゐたらしい...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...その都度脈を打って血や通う...
泉鏡花 「悪獣篇」
...その都度靴音を立つるのみ...
泉鏡花 「海城発電」
...親父はその都度(つど)怒鳴りつけて追い返したばかりか...
江戸川乱歩 「疑惑」
...その都度車はがたぴしと大揺れに揺られてゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...その都度その金額分(ぶん)だけこの動物のある部分を抵当にいれていくということは不便であり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私はその都度張り合いになって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その都度きまって思い出すのは...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...その都度(つど)...
中里介山 「大菩薩峠」
...この道路は、よく車が故障を起し、その都度、ヒロの気象台のトラックが、救援に出かけねばならないので、気象台の許可がないと、登山してはいけないことになっている...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...後にはその都度先生が西洋菓子を買ってこられて...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...その都度御返事申し上ぐべきところ延引仕(つかまつ)り何とも申訳ございません...
野呂栄太郎 「平野義太郎宛書簡」
...成功はその都度大きくなり...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...呼出しを受けたら、その都度、伊東署へ来てもらえれば」「すると、結局、ここから動けないということなのね」捜査主任は微笑しながらうなずいてみせた...
久生十蘭 「肌色の月」
...その都度彼が必らず滿足した樣子をあり/\と見せるのも變だつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...澄明の大気の彼方にありあり髣髴する蜃気楼の夢に眼を視張らせられて恍惚の吐息に愉悦を味はふこと幾度(いくたび)――その都度口を極めて筆を執つて嘆賞――おそらくは砂漠に道をうしなひ...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...木の間からときどき洩れて来る街灯の光りにその都度千鶴子の帽子の紅色のネットが泛き出した...
横光利一 「旅愁」
...その都度(つど)謙信のあとより追馳(おいばせ)に伝令を発せい」「はっ...
吉川英治 「上杉謙信」
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