...その都度にだんだんと冷やかになつていらしつたやうでございます...
芥川龍之介 「地獄變」
...その都度何かで顔を隠す工夫をするんだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...親父はその都度(つど)怒鳴りつけて追い返したばかりか...
江戸川乱歩 「疑惑」
...その都度私の感想を書いて送つたのであります...
太宰治 「このごろ」
...こんなにして金を送ってやっても、今時分女はよその男とどんなことをしているか……」と、それからそれへ連想を馳(は)せると、頭がかっと逆上して来て、もういても起(た)ってもいられなくなり、いっそこの金を持って、これからすぐ京都へ往って、あの好きな柔和らしい顔を見て来ようかと思ったことが幾たびであったか知れなかったが、その都度、「いやいや、往って逢いたいのは山々であるが、今の逢いたさ見たさをじっと耐えていなければ、この先きいつになったら首尾よく彼女を自分の物にすることが出来るか、覚束(おぼつか)ない」そう思い返しながら、われとわが拳固(こぶし)をもって自分の頭を殴(なぐ)って、逸(はや)り狂う心の駒(こま)を繋(つな)ぎ止めたのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...その都度小林の細君に慰められて帰って行った...
徳田秋声 「爛」
...その都度(つど)噂に上るのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...その都度都度(つどつど)...
中里介山 「大菩薩峠」
...その都度、私がお相伴に預かるのである...
中島敦 「環礁」
...その都度(つど)断られ...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...その現在がその都度滅び行くを體驗するのみである...
波多野精一 「時と永遠」
...値段を訊くとその都度は...
牧野信一 「鬼涙村」
...これ迄も、使い込みがばれて、会社との間にいざこざがあったけれども、その都度、町長が仲に入って、取り纏めてきたという噂も立っていた...
矢田津世子 「凍雲」
...その都度にそこの交換局の監督や...
夢野久作 「鉄鎚」
...その時にお祖父様は中風に罹(かか)られたが、父は度々帰省してお祖父様を見舞い、その都度に、大工を呼んで板塀や窓の模様を変え、右半身の麻痺硬直したお祖父様に適合する便器を作らせ、又はお祖父様の股間にタムシが出来た時に、色々な薬を配合して手ずから洗って上げたりした...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...その都度(つど)...
吉川英治 「新書太閤記」
...百姓町民はその都度(つど)に会うことである...
吉川英治 「新書太閤記」
...実はそれが何であるかをその都度つきとめることを忘れてきた...
笠信太郎 「乳と蜜の流れる地」
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