...その時分はまだ達者だった...
泉鏡花 「婦系図」
...その時分の学校は今の京都ホテルの処にあって...
上村松園 「随想」
...醒雪はその時分々(さんさん)たる黒い髯を垂(た)れて大学生とは思われない風采であった...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...その時分に東京には奇体(きたい)な現象があって...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...Kはその時分のかれの若い姿を心に思ひ浮べることが出来た...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...殊に玉茗君はその時分湖処子...
田山花袋 「丘の上の家」
...その時分はまだ汽車がそこまで来てゐなかつたので...
田山録弥 「父親」
...その時分に先代燕枝の弟子に燕車といふ老人があつて...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...このジョージ屋はその時分は他(ほか)の人の経営でございました...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...イスパハンといったようないわゆる近東の天地がその時分から自分の好奇心をそそった...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...これはその時分の三本筋でしてね...
徳田秋声 「躯」
...その時分お雪はまだ二十歳(はたち)を少し出たばかりであった...
徳田秋声 「爛」
...その時分はまだ弥之助は九歳か十歳であった...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...今日(こんにち)の二人の境界はその時分とは...
夏目漱石 「それから」
...その時分フランス語があまり読めなかつた私は...
三木清 「辞書の客観性」
...その時分の中学では恐らく珍しい科学講演会というものを組織したのも彼であった...
三木清 「読書遍歴」
...1000その時分先生様はまだお若かったが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...私はその時分よくこの学会に行ったものであった...
柳田国男 「故郷七十年」
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