...其の後は家に一人のこって居たけれ共夫となるべき人もないので五十余歳まで身代のあらいざらいつかってしまったのでしょうことなしに親の時からつかわれて居た下男を夫にしてその土地を出て田舎に引き込んでその日暮しに男が犬をつって居ると自分は髪の油なんかうって居たけれどもこんなに落ぶれたわけをきいて買う人がないので暮しかね朝の露さえのどを通す事が出来ないでもう今は死ぬ許りになってしまった...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...その日暮しの貧乏人と同じやうに柿よりももつと大切な事を幾つも持つてゐるものだから...
薄田泣菫 「茶話」
...一文無しのその日暮しだつたら...
太宰治 「お伽草紙」
...おかげで未だにその日暮しの長屋住居から浮かび上る事が出来ずにゐるのだ...
太宰治 「津軽」
...その日暮しで書いたつて何の役に立つ...
田山録弥 「雑事」
...こういう大切な観測事業をその日暮しその年暮しになりやすい恐れのある官僚政治の管下から完全に救出して...
寺田寅彦 「新春偶語」
...言葉の……また絵の……その日暮しである...
中井正一 「絵画の不安」
...あの通りその日暮しの境涯(きやうがい)から足が洗へません」「七平は?」「あれは三河屋の遠縁の甥(をひ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その日暮しの貧乏人でも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はほんのもうその日暮しで...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...その日暮しの連続で生活してゐた事に...
林芙美子 「瀑布」
...その日暮しの根性に落ちぶれてしまつてゐた...
林芙美子 「瀑布」
...その日暮しのそだちをして来た者は御苦労なしだよ...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...その日暮しをつづける以上...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わたしはまったくその日暮しで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その日暮しの日傭稼ぎ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...その日暮しの貧乏人が...
吉川英治 「親鸞」
...粗暴な、生命(いのち)知らずな、その日暮しな、あらくれ部屋のゴロン棒も木の股(また)から生れた子ではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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