...その折さる海辺(うみべ)にて...
芥川龍之介 「じゅりあの・吉助」
...その折に出たのが...
淡島寒月 「明治十年前後」
...丁度その折を選んだ様に...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...その折襖(ふすま)の蔭から...
薄田泣菫 「茶話」
...またその折の流鏑馬に峰王といふ綺麗な童子も参加いたして...
太宰治 「右大臣実朝」
...またその折の将軍家のお手土産は...
太宰治 「右大臣実朝」
...その折は自分でも残念に思った...
夏目漱石 「それから」
...その折り場内に陳列されたものの中に...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その折々に随って音色確かに異なり...
南方熊楠 「十二支考」
...その折、私は型破りの挨拶をしたことを覚えている...
柳田国男 「故郷七十年」
...すると二、三日たつてから、期待してゐたかんじんな古つゞらは持つて來ないで、その折、ついでのやうにふと札を入れておいた藤田東湖の吉野の詩と、藤田小次郎の筑波山の詩の二幅が屆けられて、――あのはうは、どうもせつかくでしたが、八百何圓とかで、ほかへ持つてゆかれました...
吉川英治 「折々の記」
...八雲は、興に乗って吹いた、その折、侍女(こしもと)の萩乃もそばに居てそれを聞いていた筈なのである...
吉川英治 「篝火の女」
...ちょうどまた、その折、大風が吹いて、営庭の大旗がたおれかかったので、何十人の兵がかたまって、旗竿をたおすまいとひしめいていたが、強風の力には及ばず、あれよあれよと騒いでいるのを見て、典韋は、「みんな退(の)け」と、走りよって、片手でその旗竿を握り止めてしまったのみか、いかに烈風が旗を裂くほど吹いても、両掌を用いなかった...
吉川英治 「三国志」
...僧もその折々の時勢によって使命がちがう...
吉川英治 「新書太閤記」
...わしがその折、御名号を書いて与えたが、見ると、今朝気を失うている折も、確乎(しっか)と、それをふところに抱いていた...
吉川英治 「親鸞」
...すでにその折の慶長九年には...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...その折々の物売りをしたり――とにかくまだ一ツの定(きま)った職業すらつかんでいないのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その折は、六部(ろくぶ)の姿でござったから、お見忘れもむりはない」田舎武士は、そういった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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