...したがって小さい時から孤独で(父はその上一人子であった)ひとりで立っていかなければならなかったのと...
有島武郎 「私の父と母」
...チロはちゃんとその上に乗っていて...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...それに、文学者や画家なんていう者は、無遠慮なのが多くて、私ととき弥との間を知っておりながら、酔っ払うと、彼女に戯れかかったりして、それをまた彼女が平気で笑っているのが、私には心外でもありましたし、その上、彼女は丸抱えの身で、堅くしているわけでもないことが、よく分っていました...
豊島与志雄 「肉体」
...その上で文句があるならいってみろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「盟主は牛込に道場を構え、大名高家も及ばぬ勢威を張り、数千の門下を養う由比正雪(ゆいしょうせつ)殿」「えッ、それは本当か」「盟友、同志、雲の如く、その上、これは極内だが、御三家の俊傑、紀州頼宣(よりのぶ)様、秘(ひそ)かに御加担、近々事を挙げる運びになっている」「――――」井上半十郎思わず起上(たちあが)りましたが、雁字がらめに縛り上げられた上、自分の造った砲架にくくられては、この謀反人を眼前に見乍ら、どうすることも出来ません...
野村胡堂 「江戸の火術」
...押かけ女房のお徳がその上を越す悪党で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その上に持參が千兩」「いづれはヒビの入つた娘だらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上出來の良い草鞋は保ちもよく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上にも高い名聲がある...
萩原朔太郎 「宿命」
...その上の字を拭き消すと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その上、まあどうでしょう...
平林初之輔 「予審調書」
...ドウしてもその上方勢に与(く)みすることは出来なかった...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その上へ魔法でもかけてゐるやうに絶えず緩やかに動かしてゐた...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...婦人達がたつた今あれほど明らかに言葉を交し合つてゐるではないか――その上私は...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...片方の三角の柱の格子からは、門を出入する人々の姿が見降せる、仰いでも、此方は薄暗いから、その上、チラ/\する格子を透しては中の様子は解らぬ...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...で見過していられるかい? その上一宿一飯...
三好十郎 「斬られの仙太」
...紅矢は今まで親よりも敬って、兄弟よりも親しく思っていた藍丸王が、まるで鬼よりも無慈悲な心になり、虎よりも荒々しい声に変って、その上に今は又、自分の妹の事を露程も思って下さらない事がわかりますと、あまりの事に驚き悲しんで狂気(きちがい)のようになって王宮を駈け出ると直ぐ、そこに繋いでおいたこの国第一の名馬「瞬(またたき)」というのに飛び乗って、手綱(たづな)を執(と)るが早いか馬の横腹を拍車で千切れる程蹴り付けました...
夢野久作 「白髪小僧」
...その上、夏、疫痢の流行があり、清涼殿に落雷があって、大火を起した...
吉川英治 「平の将門」
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