...「人間の足で、ここから百歩ぐらい離(はな)れたところに、スグリの茂(しげ)みがあるんですが、その上に、家を持った、小さなカタツムリの娘(むすめ)がいるんですよ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「幸福な一家」
...公卿(くげ)華族花園伯爵(はくしゃく)の令嬢で、華族様の癖(くせ)にオペラの舞台に立った程の声楽家で、その上、非常な美人であった...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その上の無数の跡に就いて調べ始めた...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...その上で会見を希望して来たらしいのであるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その上で人間ならば産婆のすべき初生児の操作法を行なおうとするのである...
寺田寅彦 「子猫」
...その上彼はきちょうめんであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その上には、線香の立った香炉と短冊と、硯函とが、置いてあった...
直木三十五 「南国太平記」
...その上小胆(しょうたん)で無分別で正直と来ているから...
夏目漱石 「行人」
...その上健三はその養家さえ既に出てしまった後なのだから...
夏目漱石 「道草」
...というのは、大名の本妻は徳川幕府の人質政策で、悉(ことごと)く江戸屋敷に置くことになっておりますが、石川日向守の江戸屋敷にいる御内室というのは、先代の大守、主殿頭総安(ふさやす)の息女で、日向守総和は婿養子であった関係から、小糠三合ほどの遠慮があり、その上御内室は、余り容貌の良からぬ関係から、羽目を外さぬ程度であったにしても、古文真宝な嫉妬が深酷で、日向守も三人侍女などに脂(やに)下っているわけに行かなかったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その上年こそ取つて居るが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...早速急病にてお隱れといふことにして、公邊の屆けを濟まし、その上で、いづれは親分に、御挨拶も御禮の沙汰もあらう」川村左馬太は、當り前のことを言ふ調子でヌケヌケとこんなことを言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上私は従来雨風を知らぬ坊ッチャン育ちであまり前後も考えないで鷹揚に財産を使いすてていたのが癖になっていて...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その上に一個所だけ...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...その上に次に述べるような他の地方の実際ともいよいよ喰いちがうのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その上にもう一つ慾を云えば...
夢野久作 「暗黒公使」
...その上からハンカチでくるんで懐に入れる...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...その上、武蔵の髪の毛なり、片袖なりを貰って、かくの通り、武蔵を討ち取ったと故郷の衆に話せば、それでおれ達の顔は立つじゃねえか」「なるほど……...
吉川英治 「宮本武蔵」
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