...そのうえ、くらの入り口に奇妙なしかけをつくったのです...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...そのうえにバビロン王ネブカドネザルの名こそ刻まれていないが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...僕はかえって青扇と握手を交し、そのうえ、だらしのないことであるが、お互いのために万歳をさえとなえたのだ...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...で、あははははは!HO・HO・HO!が、機が飛行場(エロドロウム)を驀出(ばくしゅつ)して、すぐそばのアパアトメントの中層とすれすれに飛び、あけはなした窓をとおして一家庭の寝台、絨毯、机、そのうえの本、ちょうど戸(ドア)を押して這入ってきた女、それらが大きく大きく――実際よりずっと大きく――あざやかに閃過(フラッシ)したとき、私はふっと悪魔になった気がした...
谷譲次 「踊る地平線」
...――そのうえ、彼女の願いにはなんの不当な点があったろうか? 彼女の親切や身をささげたいとのやさしい要求にたいして、クリストフは他人よりもいっそう敏感なるべきはずではなかったろうか?しかしクリストフは彼女のことを想(おも)ってはいなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうえ、彼がもし名声を得ようと欲しても果たして得られるかどうかわからないことを、彼女はよく知っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうえ、大芸術家を批評するのに、クリストフのようにいかに辛辣(しんらつ)であろうとも、芸術上の熱烈な信念をもってし、また――(あえて言い得べくんば)――その人のうちに凡庸さを許し得ないほど、その栄誉にたいする一図な愛情をもってすること――もしくは、リュシアン・レヴィー・クールがしているように、偉人を貶(けな)して公衆の下劣さに媚(こ)び愚衆を笑わすることだけを、その批評の眼目とすること、その両者はまったく別事であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうえ彼は、恋のために臆病(おくびょう)になっていて、自分に確信がなかったから、進んでクリストフへ助言を求めた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しゃっきりとして皺にならず、そのうえ、なんともいえぬ味があるので、呉絽でなければ帯でないようなありさま...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そのうえカピにもいくらかやることにした...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...そのうえさらに経験に訴えて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「そのうえで話を聞こうじゃねえか...
山本周五郎 「季節のない街」
...そのうえこんなに世間が騒がしいときに...
山本周五郎 「新潮記」
...……そのうえ、妻子の枷(かせ)を求めるなどはやりきれん」いまもそう思い返して、眼を書物へ沈めていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうえ三河党はみな...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうえ、ちかごろ、尊氏方の大族、山名時氏父子が、佐々木道誉と不和をかもして、南朝方へ奔(はし)ってしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうえで、宋江と呉用とは、高唐(こうとう)州城の処理を終った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そのうえ、「それ、好きな念仏でも吠(ほ)ざけ」と、杖や足蹴(あしげ)に弄(もてあそ)んで、彼のからだを血泥(ちどろ)にまろばせて抛(ほう)り出した...
吉川英治 「親鸞」
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