...そのうえ、彼は、自分の小さな帝国である教室に君臨するときの圧迫的な威厳や絶対支配権をいっさい投げうって、おどろくほどやさしくなり、気に入られるようにした...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...そのうえ、庭の木戸はあけっぱなしになっていたんだが……」「透明人間(とうめいにんげん)が、そこからはいりこんだんじゃないか?」気の早い馬車屋(ばしゃや)が、おやじが話しおわらないうちに、こわそうにさけんだ...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...そのうえに、人影はさらにない...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...家ダニは不埒にも、芥川家が受取る印税の三分の一を芥川家からとりつづけながら、そのうえに、全集の編集にいやがらせをし、且つ妨害を加へてゐる...
小穴隆一 「二つの繪」
...その六人の女中のうち、ひとり目立って貧しげな女の子に、声高く夫婦約束をしてやって、なおそのうえ、女の微笑するようないつわりごとを三つも四つも、あらわでなく誓ってやったものだから、女の子、しだいに大学生を力とたのんだ...
太宰治 「狂言の神」
...その妹といいますのはお遊さんが芝居へつれてきておりました「おしず」という娘のことなのでござりましてそのうえの妹はもうよそへかたづいておりましてお静さんがちょうど年頃になっておりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そのうえ見るとは申しましても...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そのうえ……そのうえ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうえ、圧迫された弱者らは同情さるべきであるとしても、彼らが圧迫者となる場合には全然そうでなくなるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのうえになお甘えてねだれば...
永井隆 「この子を残して」
...そのうえ中庭の奥の小さな通路は次の中庭へ通じているように見えたからである...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...そしてそのうえ、老いた母を驚かすことにならないか? もちろんそんなつもりはないのだが、今では自分の意志に反してさまざまなことが持ち上がる始末なのだから、意に反してそうなることはきわめてありそうなことだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...その場合には鋼鉄の刃のすぐ近くにあることがどんなに恐ろしいことだろう! ほんのちょっとでももがいたらどんなに危ないことになるだろう! そのうえに拷問吏の手下どもが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...なおそのうえ、こういう種類の音楽は、彼女の胃神経に作用して、この消化不良の組織体を不安状態に置いたうえ、痙攣の発作が起りはせぬかと、彼女に気づかわせるのであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...そのうえに袷の重(かさ)ね着(ぎ)が追々と無くなって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...そのうえ無口ときているので...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうえで裁可を与えよう」「いや! 古びた仰せを」宮は...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうえ幕末維新の中央は若い夢をそそらずにいない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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