...密(そつ)と自分の指を蒲団の中から出して見たが...
石川啄木 「菊池君」
...食事の時は叮嚀に卓子(テーブル)の上にそつとそれを置き...
薄田泣菫 「茶話」
...撫(ナ)でゝ見て美しい芽だ・牛が遊んでゐるところで遊ぶ緑平居・ボタ山なつかしい雨となつた・雨のボタ山がならんでゐる香春をまともにまた逢へた・枝をさしのべて葉ざくら・草もそのまゝ咲いてゐる唐豆ヤタラに咲かせてゐる・そつけなく別れてゆく草の道・別れてきて水に沿うて下る□・やつと芽ぶいたは何の木ぞ四月廿八日雨...
種田山頭火 「行乞記」
...放心(うつかり)眠(ねむ)つたらそつくり持(も)つてかれつかどうだか分(わか)んねえと思(おも)つてね...
長塚節 「土」
...あんまりお可哀想ぢやありませんか」お紋はそつと涙を拭きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつと店の小僧を物蔭に呼出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつと兵三郎さんに相談すると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつと廊下に出ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを見たい――」平次はそつと八五郎の耳に囁きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次の背後(うしろ)からそつと囁く者があるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人を刺して裏口からそつと入り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次はそつと几帳のかげを離れ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎はそつと平次に囁きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつと手を合せて拜むやうな恰好をして居る妹のお初の姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
萩原朔太郎 「短歌」
...それは月の美しい晩花園の薔薇を惜し気もなく踏みつぶして――アブサラの女神のお仲間入りをするべくそつと御殿を忍び出たところ迄だ...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...喜歌劇に取つて付けたる笑ひやう久良伎民衆化して歌劇部は飯に付き同ソプラノへ娘はそつと付けて見る同帝劇歌劇部解散...
正岡容 「大正東京錦絵」
...真率(しんそつ)に神の通行の御先払(おさきばら)いと考える風(ふう)が...
柳田国男 「海上の道」
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