...彼(かれ)は医科大学(いかだいがく)を卒業(そつぎょう)して司祭(しさい)の職(しょく)には就(つ)かなかった...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...みのるは臺所で見付けた昔馴染の老婢に木蓮を渡してから上(あが)り端(はな)の座敷の隅にそつと入つて坐つた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...しばらくしてから私は机の脇から蒲團の下にそつと...
近松秋江 「初雪」
...「ぶく/\やりたけりや入(へえ)つた方(はう)がえゝや」船頭(せんどう)はそつけなくいつて徐(おもむ)ろに棹(さを)を立(た)てる...
長塚節 「土」
...おつぎは萬能(まんのう)を置(お)いて與吉(よきち)の火傷(やけど)した頭部(とうぶ)をそつと抱(いだ)いた...
長塚節 「土」
...子規さんとは御つき合でしたか」と正直な東風君は真率(しんそつ)な質問をかける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そつと顏を上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老主人はそつと冷たい顏にさはりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつと旅籠屋を拔出したのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...歸る時そつと拔いて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつとして置いて下さい」唇(くちびる)を噛みながらも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十二三人の下宿人の名札をそつとしらべて見ました...
林芙美子 「清修館挿話」
...神経衰弱なんてうそついてゐるのだらうと言はれた...
北條民雄 「発病」
...そつと近づいて行くと...
堀辰雄 「窓」
...そつとペンを執りました...
牧野信一 「蛍」
...一つそつと中の様子を見てやらうと思ひ立つた...
村山槐多 「殺人行者」
...其上に肉をそつと置きました...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そつ事ごめんなり一 しやうぢ申せや限(かぎり)なし...
柳田国男 「遠野物語」
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