...少し反齒(そつぱ)なのを隱さうとする樣に薄い脣を窄(すぼ)めてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...爪先きでそつと近づきました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...どんなにか喜んだでせう? 新年からそつちへ行くことになつてるのですよ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...学校(がつこう)の卒業(そつげふ)証書(しようしよ)が二枚(まい)や三枚(まい)有(あ)つたとて鼻(はな)を拭(ふ)く足(たし)にもならねば高(たか)が壁(かべ)の腰張(こしばり)か屏風(びやうぶ)の下張(したばり)が関(せき)の山(やま)にて...
三文字屋金平 「為文学者経」
...女義太夫としては外貌(そつぽ)もよし...
薄田泣菫 「茶話」
...ああ僕とそつくりだ!)君...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...妻戸がそつと明いて...
田山花袋 「道綱の母」
...勘次(かんじ)は其(その)朝(あさ)未明(みめい)にそつと家(いへ)の後(うしろ)の楢(なら)の木(き)の間(あひだ)を田(た)の端(はし)へおりて境木(さかひぎ)の牛胡頽子(うしぐみ)の傍(そば)を注意(ちうい)して見(み)た...
長塚節 「土」
...――私がそつと家を出たのが酉刻半(むつはん)頃...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...娘の首にそつと腕を廻しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎はそつと立上がりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小林秀雄(評論家)そつくりの風貌である...
林芙美子 「屋久島紀行」
...時々そつと山田の方に気を配つて見た...
北條民雄 「道化芝居」
...それに彼女の部屋は北側にあつてそつちは出口もない突き当りであつたので...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...そつと悟空が見ると大王は数名の美女を従へて酒を飲んでゐるのだつた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...』お芳はそつと宗三郎の顏を偸み見た...
水野仙子 「四十餘日」
...自分はそつとまた九段坂の上へとつてかへして考えた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...捕手(とりて)の軍卒(ぐんそつ)がおどろきさわぐうちに...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索