...田口(たぐち)一等卒(いっとうそつ)にほかならなかった...
芥川龍之介 「将軍」
...兵隊はそつとあたりを見まはしました...
鈴木三重吉 「一本足の兵隊」
...帽子掛から帽子(しやつぽ)をそつと取りあげて...
薄田泣菫 「茶話」
...うまくあたるまではいつまででも首をふつてるがよくよくあたらないとしかたなしにそつと指さしをして...
中勘助 「銀の匙」
...そつと自分勝手に大膽な冐險を敢てすると云ふ...
永井荷風 「或夜」
...ぬくとい垣根にそつてつた...
新美南吉 「輪まはし」
...平次はその後ろ姿を見送つてそつと紙片(かみきれ)を開きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二枚屏風(びやうぶ)の中の傅次郎の死骸をそつと振り返るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お勝手口へそつと下女のお町を呼出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その後ろからそつと口を押へて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...百貨店でそつとしのばせて来た頬紅も...
林芙美子 「朝夕」
...そつとノブをまはすと...
林芙美子 「浮雲」
...里子の声が冨子の声音にそつくりだつた...
林芙美子 「瀑布」
...跡より続いて椽先(ゑんさき)からそつと上るを...
樋口一葉 「たけくらべ」
...「そつくりだ...
北條民雄 「間木老人」
...「僕の友達がね、僕のことをジヨーヂ・ラフトに似てゐるつていふんですけど、ほんたうかしら?」「……えゝ似てゐるわ、そつくりですわ、だから妾にも頂戴つていふのに――」「てれちやふなハツハツハ……」――「あんなことをいつたけれど妾、そんな役者なんて未だ一度も見たことなんてないのよ、あゝいはないと、あの男すぐに機嫌が悪くなるんですもの...
牧野信一 「街角」
...そして習慣の重い歩(あし)どりで檻にそつて歩き始めた...
三好達治 「測量船」
...卒爾(そつじ)なことを口走り給うな...
吉川英治 「三国志」
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