...今特別に外出を伍長(ごちょう)にそっと頼んで許してもらって...
有島武郎 「或る女」
...ぼくはデパートをそっとしのびでると...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...」とお神にそっとささやき...
徳田秋声 「縮図」
...今這入った女の動静をそっと塀の外から窺(うかが)うというよりも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そっと枕元に坐った...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そっとぬける...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...「ボストン!真夜中(ミド・ナイト)ボストウン!」間もなく七尺に近い黒人が油布(ウエイス)を持った儘のそっと這入って来た...
牧逸馬 「上海された男」
...女はそっと次の室に行ったあとで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...そっと元の通りに挿(さ)して置いて...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...膝の上の手をそっと握り合せた...
山本周五郎 「落ち梅記」
...ちっとやそっとできれいにはならねえもんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...つなは思わず口の中でそっと呼びかけた...
山本周五郎 「風流太平記」
...(岩公、左様なら……)晴れの黒髪から、銀の釵(かんざし)を抜き取って川の中へ、そっと落した...
吉川英治 「下頭橋由来」
...そっと裏面から軍資金を貢いでやったのが因(もと)で...
吉川英治 「三国志」
...宋江はそっと門番小屋の竹窓から屋敷内のひろい落葉道を見まわした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...仙石家の者へそっと訊ねてみたところ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...墓場のような今までの部屋をそっと出て...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...家に帰ってから父母に黙ってそっと按摩をして歩いたのもこの期間の事だった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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