...それらの情冷かになりそれらの譏(そしり)遠くなりての後にまた筆を執(と)ることを楽むべし...
饗庭篁村 「良夜」
...誨淫の譏(そしり)あるものを列挙すれば...
芥川龍之介 「骨董羹」
...なんとでも世の謗(そしり)を受けよう」「はア……」「私は名のために働く者でない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...正造はしばらく黙想していたが――世をいといそしりを忌みて何にかせん...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...月をあさる花そのこゑはなめらかな砂のうへをはしる水貝(みづがひ)のささやき、したたるものはまだらのかげをつくつてけぶりたち、はなびらをはがしてなげうち、身をそしり、ほのじろくあへぐ指環(ゆびわ)のなかにかすみゆく月をとらへようとする...
大手拓次 「藍色の蟇」
...今日(こんにち)浮世絵の研究は米国人フェノロサその他新進の鑑賞家出でて細大漏(もら)す処なく完了せられたるの後(のち)溯(さかのぼ)つてゴンクウルの所論を窺(うかが)へば往々(おうおう)全豹(ぜんぴょう)を見ずして一斑(いっぱん)に拘泥(こうでい)したるの譏(そしり)を免れざるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...さて僕も富士見町ばかりでは所詮山の手の土臭く井戸の蛙の譏(そしり)もうしろめたしと思へる折から...
永井荷風 「桑中喜語」
...要するに死後に於てとかくのそしりを残さぬようにする用意が第一――甲冑用意も卑怯なりとは言わないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかも空虚の譏(そしり)を免(まぬ)かれるように...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...「何をもって謗(そしり)を熄(や)むる...
新渡戸稲造 「自警録」
...百人のわれにそしりの火はふるもひとりの人の涙にぞ足るの一首に...
長谷川時雨 「九条武子」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...往々(おうおう)誤(あやまっ)て薄情(はくじょう)の譏(そしり)は受(うく)るも...
福沢諭吉 「旧藩情」
...そしりたりせられしなれども...
福沢諭吉 「中津留別の書」
...親の謗(そしり)はしりよりか些と自分の頭の蠅(はえ)でも逐(お)うがいいや...
二葉亭四迷 「浮雲」
...野に置け蓮華草のそしりはまぬかれない...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...北条幕府の悪政をそしり...
吉川英治 「私本太平記」
...法魔仏敵のそしりをうけて追われてゆくに」「善信の血縁の者とあって...
吉川英治 「親鸞」
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