...あるいはそこここを駈けまわったり...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...時々鶉(うずら)の群(むれ)が慌しくそこここから飛び立ったが...
芥川龍之介 「首が落ちた話」
...ひつそりした畑のそこここには...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...思いがけずも灰色の瓦の破片が其処此処(そこここ)にころがっているのを見た...
伊波普猷 「土塊石片録」
...そこここに、低い、片羽のような、病気らしい灌木が伸びようとして伸びずにいる...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...そこには古い大きな黒松があってその浮き根がそこここに土蜘蛛(つちぐも)が足を張ったようになっていた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...山形あたりに生まれてそこここと流れ渡ってきても故郷の言葉が失せないという元気なお婆さんもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...ただ角帯をしめた番頭が二、三人そこここに、退屈そうに座っているだけで、ついぞ客など入って本を買っているのを見たことはなかった...
田山花袋 「日本橋附近」
...子供の泣き声や鶏(とり)の声などがそこここに聞えた...
徳田秋声 「爛」
...そこここから聲がおこった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そこここに突起を出し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...二度も三度もそこここと位置を易(か)えなければならなかった...
夏目漱石 「門」
...そこここの段丘に蔓巻の打刀(うちがたな)を差し...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...そこここと三十分以上も仔細に点検し...
久生十蘭 「魔都」
...未だそこここに残骸を曝してゐた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...そこここに青青としてゐた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...そこここを飛びかう蝶にも...
吉川英治 「三国志」
...しかもそこここと水を打って清掃してあるあたり...
吉川英治 「三国志」
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