...極めて僭越(せんえつ)でかつは大袈裟(おおげさ)のようではあるが...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...どうも僭越(せんえつ)なことではないかと気遣う向きもありましたが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...僭越(せんえつ)ながら教えなければなりません...
太宰治 「女の決闘」
...「先日、(二十三日)お母上様のお言いつけにより、お正月用の餅(もち)と塩引(しおびき)、一包、キウリ一樽(たる)お送り申し上げましたところ、御手紙に依(よ)れば、キウリ不着の趣き御手数ながら御地停車場を御調べ申し御返事願上候(ねがいあげそうろう)、以上は奥様へ御申伝え下されたく、以下、二三言、私、明けて二十八年間、十六歳の秋より四十四歳の現在まで、津島家出入りの貧しき商人、全く無学の者に候が、御無礼せんえつ、わきまえつつの苦言、いまは延々すべき時に非ずと心得られ候まま、汗顔平伏、お耳につらきこと開陳、暫時、おゆるし被下度(くだされたく)候...
太宰治 「帰去来」
...仙術太郎氏の半生と喧嘩次郎兵衛氏の半生とそれから僭越(せんえつ)ながら私の半生と三つの生きかたの模範を世人に書いて送ってやろう...
太宰治 「ロマネスク」
...これについてははなはだ僣越(せんえつ)ながらこの際一般工学者の謙虚な反省を促したいと思う次第である...
寺田寅彦 「天災と国防」
...「それに比べては僭越(せんえつ)であるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...僭越(せんえつ)にも自ら「生活のための芸術」と名乗ったりした...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...僭越(せんえつ)ながら指名のお許しを願って...
本庄陸男 「石狩川」
...また癪(しゃく)にさわるほど僭越(せんえつ)なわけのものですね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...過去においては長く僭越(せんえつ)な競争者であると見ていた人に好意を持ちうるようになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それでわたしに頼むというのはなんです」「老公に拝謁がねがいたいと存じまして」「あんたが直々にですか」「処士の身でまことに僭越(せんえつ)ですけれども...
山本周五郎 「新潮記」
...まことに僭越(せんえつ)でございますけれども...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...劉家の家事に立入るなど僭越(せんえつ)であろう」「いやいや...
吉川英治 「三国志」
...そう決意いたしておりますので」「僭越(せんえつ)でおざろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...僭越(せんえつ)とお叱りなくば...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉が僭越(せんえつ)な音頭(おんど)を取って事態をうごかしているように邪推(じゃすい)された...
吉川英治 「新書太閤記」
...僭越(せんえつ)なり...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??