...やや燃えかすれたストーブの火をながめ入る...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...するともしや……」博士の声がかすれた...
海野十三 「三十年後の世界」
...消しわすれたように點いていて...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...かすれた声で罪もない女中共を呪(のろ)った...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...」「おいおい、ポケット君、きみは、このあなのおかげで、ゴリラからたすかったことを、わすれたのかい...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...そばに人のいるのもわすれたように...
江戸川乱歩 「大金塊」
...」とかすれた声で...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あのひいひいと風邪声(かざごえ)のようなかすれた声で啼(な)いている方がピオニーであろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...もうだいぶうすれたころであった...
徳田秋声 「挿話」
...かすれた声でいった...
直木三十五 「南国太平記」
...錦太郎は唇を噛みました、が、しばらく自分の心持を落着けると、白々とした観念の顔を挙げ、キッと平次を睨(にら)み、それから主人勘兵衛の顔を見据えながら、少しかすれたが、落着き払った声でこう言うのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かすれた紙や黄色い羊皮紙(ようひし)...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...「兄はおりますが」と辰弥はかすれた声で続けた...
山本周五郎 「季節のない街」
...かすれた、低い喉声で、けれども緊張のためするどくなっているおりつの耳に、はっきりと聞えた...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...だが悶絶するほどの苦しみを経て、覚悟はきまったのだろう、低くかすれた、うつろな声で、とぎれとぎれに云い始めた...
山本周五郎 「つばくろ」
...かすれた声で女のように叫んだ...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...箸(はし)を持ちわすれたまま...
吉川英治 「平の将門」
...「出つけない場所へ出たためか、あんなに、考えていたのに、いいわすれた...
吉川英治 「平の将門」
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