...やはり厚い画学紙にすり切れた筆で乱雑にこう走り書きがしてあった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...すり切れた鉄のすきまからは痛々しく血がにじみ出ていた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...岩かどですり切れたんじゃないよ...
江戸川乱歩 「探偵少年」
...あるいは既にすり切れた上衣や靴の代価を支払うことができず...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...朝野光男の下駄のようなすり切れた歯をずるずる曳(ひ)きずっているような音は...
高見順 「如何なる星の下に」
...すり切れたカーテンや色のさめた壁紙に実つているのに文句をつけるに至つてはなおさらである...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...お仕着(しき)せのひどくすり切れた背中が丸見えになって...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ひどくすり切れた重いブーツといった格好だった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...すり切れた山高帽を横棚に置き...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...靴(くつ)の踵(かかと)のすり切れた虱(しらみ)だらけの従僕を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それも底のすり切れたものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...どれも古びた、すり切れた本で、厚表紙は真ん中でほとんどちぎれ、ただ紐(ひも)だけでやっとくっついていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...すり切れたタクシードを着て満寿子さんをさがしにきたことを思いあわせると...
久生十蘭 「だいこん」
...シューラが、箱の底をほじくって、すり切れた、誰かの古い狐の皮を引ずり出した...
「赤い貨車」
...表のすり切れた古畳の上へ...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...そこですっかりすり切れたような毛布にくるまってごろ寝をしているんだが...
山本周五郎 「陽気な客」
...すり切れた草履に...
吉川英治 「親鸞」
...すり切れたわら草履をばたつかせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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