...すでに非常な禍(わざわい)をこうむっているのであるから...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...俺の指はすでに曳(ひ)きがねをひいていた...
高見順 「いやな感じ」
...真理はすべてすでに大学の中にあると信じられた...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...六とにかく僕と千代子の間には両方共物心のつかない当時からすでにこういう絆(きずな)があった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...すでに開かれてるといふことだ...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...こうしたすべてにすでに十分にクラムが関係があるのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...(その邂逅はすでに「スワン家の方」の第一部に書かれてある...
堀辰雄 「文學的散歩」
...そうしてすでに個人主義と主知主義との欠陥については先に書いた...
柳宗悦 「工藝の道」
...かくて、夜の明けはなれる頃には、関羽はすでに、沂水関(ぎすいかん)(河南省・洛陽郊外)をこえていた...
吉川英治 「三国志」
...後陣にいた李典は、「さてこそ」と前方の火光を見て、急に救いに出ようとしたが、突如、前に関羽の一軍があって道をふさぎ、退いて、博望坡の兵糧隊を守ろうとすれば、そこにはすでに、玄徳の麾下(きか)張飛が迫って、輜重(しちょう)をことごとく焼き払ったあげく、「火の網の中にある敵、一匹ものがすな」と、後方から挟撃してきた...
吉川英治 「三国志」
...すでに彼の体を突き上げて...
吉川英治 「三国志」
...呉建国以来の名将はすでに世を辞して幾人もありませんが...
吉川英治 「三国志」
...すでにその方面の功を上げて...
吉川英治 「三国志」
...すでに吉野大衆の影さえなく...
吉川英治 「私本太平記」
...けれど事すでにここに至っては――の感がふかい...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに使節としての公務も終っていたので...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに魯提轄(ろていかつ)は風を食らってしまったあと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(底が知れん)と、叔父も従弟も、匙(さじ)を投げるし、又、(これはどうやら、内蔵助の行状も、ほんものらしいわい)と同志のうちで云う者も多くなって、一徹(てつ)者(もの)の奥野将監(しょうげん)などは、すでに、(見限り申した)と、内蔵助の胸へ、絶縁状をたたきつけているのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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