...そのすぐ背後から、またも突然に、「すっぱと、らっぱと、待ったった」「すっぱと、らっぱと、待ったった」こういうかけ声をしながら、息せききって走(は)せつけて来るものがあるのですから、源松は、その行手を慮(おもんぱか)らないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...「すっぱと、らっぱと、待ったった」「すっぱと、らっぱと、待ったった」後ろから走せて来たのを、避けてやり過してやろう――轟の源松は、路傍の草の中へ少し身を引いていると、「すっぱと、らっぱと、待ったった」「すっぱと、らっぱと、待ったった」怪しげな掛声に呼吸を合わせて、走せて来たのは、まさしく今の犬を追いかけて来たものでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
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