...鼻をすするまでに涙ぐんでいた...
有島武郎 「或る女」
...洟をすする音がひっきりなしにつづいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その皮肉がますますするどくなるのに何の不思議があろう...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...眼をつぶつて仰向のまま、二匙すすると、もういい、と言つた...
太宰治 「逆行」
...・春寒い鼠のいたづらのあと・春がしける日のなにもかも雑炊にしてすする・たたきだされて雨はれる百合の芽である・春時化のせせらぎがきこえだした・林も水があふれる木の芽土のしじまの芽ぶいてきた雑草草萠えるあちらからくる女がめくら籠りをれば風音の煤がふる暮れるまへの藪風の水仙の白さどこかで家が建つだいぶ日が長うなつた・やつと山の端の三日月さん追加一句春時化(シケ)...
種田山頭火 「其中日記」
...酒はかならずあたためてしづかにすするべし...
種田山頭火 「其中日記」
...香ばしい茶をすする...
種田山頭火 「私の生活(二)」
...さじでゆるやかにかき交ぜておいて一口だけすする...
寺田寅彦 「詩と官能」
...いつもこんなことを考えながら一杯のコーヒーをすするのである...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...卵の黄身をやたらにすするのは...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...しくしく鼻をすする音に...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...唐辛子を浮かしてすする...
林芙美子 「新版 放浪記」
...秩序の目標は青(ブルウ)と黒(ブラック)仮説の中でひっそりと鼠を食うその霊妙なる味と芳香ああロマンスの仮説誰にも黙殺されて自分の生血をすする少しずつ少しずつの塩辛い血...
林芙美子 「新版 放浪記」
...狼のやうにその血をすするのだつた……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...まるで瓜(うり)をすするときのやうな声を出した...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...水仙の花を睨んでいるのです4その昇さんは私のところを離れると本堂の裏を墓地の方へ曲りますするといきなり花婆やのブツブツ声が聞こえます「そうでございますよみんなみんな...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...しゅくしゅくと千蛾老人がうれし泣きにすする声が...
吉川英治 「江戸三国志」
...紅茶も少しすする...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索