...うまそうに茶をすする...
梅崎春生 「凡人凡語」
...左右の総代たちの席から洟(はなみず)をすする音が洩れだした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そうして京都言葉で喋々(ちょうちょう)と喋り立てる老若男女に伍して一服の抹茶をすするのであった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...靴をとられそうに砂のふかい歩道にそって、力持、怪動物、毛だらけの女、めりい・ごう・らうんど、人体内器のつくり物、覗き眼鏡、手相判断、拳闘仕合、尻ふりダンス「モンマルトルの一夜」、蛙男(かわずおとこ)、早取(はやとり)写真、「女入るべからず」、みにあちゅあ自動車競争、ジプシイ占いブランシェ嬢の「水晶のお告げ(クリスタル・ゲイジング)」、生理医学男女人形、影絵の肖像画、ふたたび「巴里の夜」、大蛇、一寸法師、あふりか産食人種、飛入り歓迎「モンテ・カアロ」の勝負、当て物、キュウピイ倒し、だんすする馬、電気賭博に海底旅行――楽隊・雑沓・灯火・異臭・呼声・温気...
谷譲次 「踊る地平線」
...・春寒い鼠のいたづらのあと・春がしける日のなにもかも雑炊にしてすする・たたきだされて雨はれる百合の芽である・春時化のせせらぎがきこえだした・林も水があふれる木の芽土のしじまの芽ぶいてきた雑草草萠えるあちらからくる女がめくら籠りをれば風音の煤がふる暮れるまへの藪風の水仙の白さどこかで家が建つだいぶ日が長うなつた・やつと山の端の三日月さん追加一句春時化(シケ)...
種田山頭火 「其中日記」
...枯草あたたかう犬は戻つてきてゐる(Sよ)こころむなしく日向をあるく・もいではすする熟柿のぬくとさは・空のふかさへ変電所の直角形(改作)・あかるくするどく百舌鳥はてつぺんに十月十五日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...二人とも朝飯なしでお茶をすする...
種田山頭火 「其中日記」
...暖かいストーブのそばのマーブルのテーブルを前に腰かけてすする熱いコーヒーは...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...さじの先でかき回しながら一杯の不二家(ふじや)のコーヒーをすするのである...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...卵の黄身だけをぬき出してすする癖があるので...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...卵の黄身をやたらにすするのは...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...血をすする獣性、餌物(えもの)をさがす飢えたる貪欲(どんよく)、爪と顎(あご)とをそなえ腹のみがその源であり目的である本能、それらのものは、平然たる幻の姿をおずおずとながめまたかぎまわす...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...肩を落して洟(はな)をすするのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...パンをむしりながら砂糖のふんだんにはいった紅茶をすするのも美味い...
林芙美子 「朝御飯」
...秩序の目標は青(ブルウ)と黒(ブラック)仮説の中でひっそりと鼠を食うその霊妙なる味と芳香ああロマンスの仮説誰にも黙殺されて自分の生血をすする少しずつ少しずつの塩辛い血...
林芙美子 「新版 放浪記」
...まるで瓜(うり)をすするときのような声を出した...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...階下でしきりに寿江の洟(はな)をすする音がいたします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...紅茶も少しすする...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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