...猿は熟柿(じゅくし)を与えず...
芥川龍之介 「猿蟹合戦」
...電灯の灯(ひ)の下に熟柿(じゅくし)のように赤くなってこっちを向いて威丈高(いたけだか)になっていた...
有島武郎 「或る女」
...熟柿(じゅくし)のように真赤です...
海野十三 「崩れる鬼影」
...振返(ふりかえ)ると熱柿(じゅくし)みたいな臭(にお)いをぷんぷんさせたN子です...
田中英光 「オリンポスの果実」
...素盞雄尊(すさのおのみこと)を見る様な六尺ゆたかな堂々(どうどう)雄偉(ゆうい)の骨格(こっかく)と悲壮(ひそう)沈欝(ちんうつ)な其眼光(まなざし)を熟視(じゅくし)した時...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...青梅の裏宿七兵衛(うらじゅくしちべえ)との取組みとなるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...熟柿(じゅくし)のような息を吹き...
中里介山 「大菩薩峠」
...小春(こはる)と云えば名前を聞いてさえ熟柿(じゅくし)のようないい心持になる...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...熟柿臭(じゅくしくさ)い息をフウフウ吐いている丑松だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...与一は木綿(もめん)の掛蒲団一枚と熟柿(じゅくし)のような...
林芙美子 「清貧の書」
...結構熟柿(じゅくし)臭いいきになって三時間も飲みつづけていた酔漢のまねができますからなあ」「甲刑事は一体どうしたんだ...
平林初之輔 「祭の夜」
...言語材料尽(ことごと)く分明に解し得ながら一句の意味に解する能はざる所あらば自ら熟思(じゅくし)すべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...大男はじゅくしきったサクランボのなっている木のてっぺんを...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「いさましい ちびの仕立屋さん」
...息は腐った熟柿(じゅくし)のような匂いがした...
山本周五郎 「季節のない街」
...熟柿(じゅくし)臭い臭気とが沁(し)み込んでプンプンと匂っている...
夢野久作 「暗黒公使」
...熟柿(じゅくし)のような顔をして...
吉川英治 「三国志」
...ふと「洗心洞塾舎(せんしんどうじゅくしゃ)」という看板が眼についた...
吉川英治 「治郎吉格子」
...気の永い熟柿(じゅくし)主義を奉じているが...
吉川英治 「新書太閤記」
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