...猿は熟柿(じゅくし)を与えず...
芥川龍之介 「猿蟹合戦」
...おいしそうにじゅくしたいちごの実をつけたひと枝と...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「野のはくちょう」
...熟柿(じゅくし)のように真赤です...
海野十三 「崩れる鬼影」
...全身熟柿(じゅくし)の如くにして長椅子の上に寝そべって夜を徹して酒をあおっていた...
海野十三 「心臓盗難」
...また釣瓶落(つるべお)ちに墜(お)ちるという熟柿(じゅくし)のように真赤な夕陽が長い睫(まつげ)をもった円(つぶ)らな彼女の双(そう)の眼を射当(いあ)てても...
海野十三 「振動魔」
...死人の物すごい形相を熟視(じゅくし)していたが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...晴れわたる秋の遠山は、らんじゅくした、女のらたい、ふっくらとした、山肌は、女の、いんこうのごとき、谷をきざむ...
鶴彬 「村へ行く」
...素盞雄尊(すさのおのみこと)を見る様な六尺ゆたかな堂々(どうどう)雄偉(ゆうい)の骨格(こっかく)と悲壮(ひそう)沈欝(ちんうつ)な其眼光(まなざし)を熟視(じゅくし)した時...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...熟柿(じゅくし)のような息を吹き...
中里介山 「大菩薩峠」
...熟柿(じゅくし)が枝に下っているのを見て...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...熟柿臭(じゅくしくさ)い顔を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ふうと熟柿(じゅくし)くさい息が吹きかかり...
火野葦平 「糞尿譚」
...鼻持のならぬ程の熟柿(じゅくし)臭い香(におい)をさせながら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...言語材料尽(ことごと)く分明に解し得ながら一句の意味に解する能はざる所あらば自ら熟思(じゅくし)すべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...辰男は立上りざま初めて兄の顔を熟視(じゅくし)した...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...もうみんなじゅくしきっているんです...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「ホレおばあさん」
...ふと「洗心洞塾舎(せんしんどうじゅくしゃ)」という看板が眼についた...
吉川英治 「治郎吉格子」
...下総臼井宿宿問屋(しもうさうすいじゅくしゅくどんや)と...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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