...どうしてここへ来なされた」老僧の詞(ことば)は小さなじめじめした泣くような詞であった...
田中貢太郎 「山寺の怪」
...こうしたじめじめした池沼(ちしょう)のほとりの雰囲気はいつも自分の頭のどこかに幼い頃から巣くっている色々な御伽噺(おとぎばなし)中の妖精を思い出すようである...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...夢の中ではたとえば蝋燭(ろうそく)やあるいはまたじめじめした地下の坑道が性的の象徴となる場合がある...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...監房のしめっぽいじめじめした床石の上に...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...じめじめした細雨に変わっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...丸天井のついたじめじめした階下の室で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...恐ろしい古いきたないじめじめした窖(あなぐら)のような所で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あのじめじめした...
中村地平 「霧の蕃社」
...そして硝石で被われたじめじめした壁の堺が見えました...
西尾正 「墓場」
...隣の物置とじめじめした路地を距てて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なぜなら細民窟(さいみんくつ)のじめじめした長屋住いや...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...六畳二間きりのじめじめした家だけれど...
林芙美子 「淪落」
...兄上様民喜●昭和二十一年十月十三日 大森区馬込末田方より 広島県佐伯郡平良村 原信嗣宛毎日よく雨が降つてじめじめした天気がつづいて居ます...
原民喜 「書簡」
...どうもじめじめしたお天氣でございまして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...じめじめした土の下で腐りながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...じめじめしたあふれ水はいやです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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室生犀星 「愛の詩集」
...うす暗いじめじめしたごみ溜(ため)のような編集室の隅で...
山本周五郎 「陽気な客」
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