...じめじめした苔(こけ)の間に鷺草(さぎぐさ)のような小さな紫の花がさいていたのは知っている...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...我々は観客席(といつてもそこは材木と布でしきられた何坪かのじめじめした地面にすぎないのであるが)に立つて押しあいながら見ていた...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...これまでの地下のようなじめじめした感じや...
海野十三 「三十年後の世界」
...なぜこんなじめじめした暗闇の中に...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...酒で朽ちたじめじめした木片をさもうまそうに舐めたり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...夢の中ではたとえば蝋燭(ろうそく)やあるいはまたじめじめした地下の坑道が性的の象徴となる場合がある...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...行ってみよう」私達はじめじめした凹地を越えて...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...じめじめした細い横町...
徳田秋声 「黴」
...何しろ深い谿間(たにあい)のじめじめした処(ところ)だから...
徳田秋声 「縮図」
...じめじめした細雨に変わっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...じめじめした冷い地面や...
豊島与志雄 「微笑」
...軟弱の徒(と)には緩慢なじめじめした醜い苦しみが...
中島敦 「李陵」
...じめじめした暗鬱の氣分のものは...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...どうもじめじめしたお天氣でございまして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...その幻はそれとそつくり同じやうにじめじめした臭ひのしてゐた...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
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室生犀星 「愛の詩集」
...じめじめした匂いが湿って鼻孔を圧してきた...
室生犀星 「蛾」
...このじめじめした草地の一ぽうには...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
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