...じめじめした苔(こけ)の間に鷺草(さぎぐさ)のような小さな紫の花がさいていたのは知っている...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...我々は観客席(といつてもそこは材木と布でしきられた何坪かのじめじめした地面にすぎないのであるが)に立つて押しあいながら見ていた...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...じめじめしたかんがえはよそう...
海野十三 「恐竜島」
...じめじめした穴の中に...
海野十三 「もくねじ」
...じめじめした湿地と薄暗がりとを娯しんでいるのだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その樹の蔭のじめじめしたところに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...冷たいじめじめした風が吹く...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...じめじめした地下の闇(やみ)のなかに眠(ねむ)っているところを心に描(えが)いた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...行ってみよう」私達はじめじめした凹地を越えて...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...じめじめした汐風(しおかぜ)に...
徳田秋声 「足迹」
...じめじめした狭い庭...
徳田秋声 「爛」
...軟弱の徒(と)には緩慢なじめじめした醜い苦しみが...
中島敦 「李陵」
...何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...じめじめした沼地をば...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...じめじめした一けんの家にはいった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...じめじめした陰気な一画で...
山本周五郎 「菊千代抄」
...うす暗いじめじめした編集室の...
山本周五郎 「陽気な客」
...じめじめした蓮田(はすだ)のへりを悠々とならんで歩み出しました...
吉川英治 「江戸三国志」
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