...唯、こゝで言ふのは、言ふのさへ、餘り町じみるが、あの背負揚とか言ふものゝ、灯の加減で映るのだらうか、ちら/\と……いや、霧が凝つたから、花片、緋の葉、然うは散らない、すツすツと細く、毛引の雁金を紅で描いたやうに提灯に映るのが、透通るばかり美しい...
泉鏡花 「遺稿」
...唯、ここで言うのは、言うのさえ、余り町じみるが、あの背負揚(しょいあげ)とか言うものの、灯の加減で映るのだろうか、ちらちらと……いや、霧が凝ったから、花片(はなびら)、緋の葉、そうは散らない、すッすッと細く、毛引(けびき)の雁金(かりがね)を紅で描いたように提灯に映るのが、透通(すきとお)るばかり美しい...
泉鏡花 「遺稿」
...悪く老成(おやじ)じみるが仕方がない……として...
泉鏡花 「薄紅梅」
...伝説じみるが事実である...
泉鏡花 「絵本の春」
...それを着ると芸人じみるので...
太宰治 「帰去来」
...映画師らは酋長に合わせる顔がないといってしょげる場面はどうも少し芝居じみる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...弁解じみるようだが...
中島敦 「環礁」
...辯解じみるやうだが...
中島敦 「環礁」
...それは直に復た汗じみるからである...
長塚節 「旅行に就いて」
...男 如何せ世話じみるんだけれど...
中原中也 「夢」
...よろずに瘋癲(きちがい)じみるまで喜びは喜んだが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...そこから世田ヶ谷若林の舗装道路へ、寒い中をトラックの上へ三益と乗って、ガタ/″\走るといふんだ、狂人じみる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...彼女は気違いじみるほど小心翼々として...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...序文に「世帯じみる」という言葉がつかわれていますけれども...
宮本百合子 「鉛筆の詩人へ」
...人が事実として言い出すことをぶっきら棒に否定するのは少々荒っぽく喧嘩じみる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――あんまり早く世帯じみるなよ...
山本周五郎 「さぶ」
...こんな事を書くと文学青年じみるが...
夢野久作 「私の好きな読みもの」
...大道博奕(だいどうばくち)じみるしと...
吉川英治 「私本太平記」
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