...目を畳の上に伏せてじっと千里も離れた事でも考えている様子だった...
有島武郎 「或る女」
...じっとしていれば...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...じっと木立の内(なか)の暗い処を見廻わしたが別に異状もないので...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...と書いたことだ――金のことなどを言ったのだ! そんなことはじっと耐えていなければならなかったのに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...眼をじっと伏せたまま通りかかると...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...少し腫れ眼瞼の眼はじっと閉じている...
豊島与志雄 「過渡人」
...足を投げ出してじっとしてると...
豊島与志雄 「同胞」
...一寸(いっすん)の虫にも五分(ごぶ)の魂というが当節はその虫をばじっと殺していねばならぬ世の中...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...そのさむざむとした後ろ姿が茗荷畑の中を遠ざかって行くのをじっと見送っていた...
永井隆 「長崎の鐘」
...ぜひなくその心をじっと抑えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...身には十徳(じっとく)を着ていましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし生垣(いけがき)の根にじっとうずくまっている彼は...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...私は何かをじっと怺(こら)えているような様子をして...
堀辰雄 「幼年時代」
...私はじっと空をみつめては泣いていた...
室生犀星 「幼年時代」
...坐った位置を変えようともせずじっと暗い庭をみまもっていた...
山本周五郎 「新潮記」
...激してくる情をじっと抑えながら...
山本周五郎 「柳橋物語」
...なお大事をとりながらじっとそこをうかがいましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...満身に蠅(はえ)を集めてじっとしている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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