...この水のじくじくした沼の岸にたたずんでひとりでツルゲーネフの森の旅を考えた...
芥川龍之介 「日光小品」
...じくじくした赤土を残して...
芥川龍之介 「水の三日」
...踏(ふ)み散らしじくじく湿(しめ)っていて...
伊藤左千夫 「落穂」
...私は長い一帯のじくじくした砂地を徒渉しなければならなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...血がじくじくとじゅうたんを濡らして行くのを...
高見順 「いやな感じ」
...暗いうえに雨水を含んだ地べたがじくじくしていて...
田中貢太郎 「蟇の血」
...そこでじくじく融けるのであった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その眼がまたすぐにじくじく水気ずいてきて...
豊島与志雄 「黒点」
...堅く丸めて落すんだよ」「じくじく濡(ぬ)れてるから...
夏目漱石 「二百十日」
...翌日は一日中じくじくと眼の中が痛む...
北條民雄 「発病」
...じくじくした時雨つづきの...
室生犀星 「笛と太鼓」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...笹葉(ささつぱ)が落ちて積つてじくじくになつてゐる上を踏んでも...
森鴎外 「金貨」
...その大部分のものは古い潰瘍でじくじくしており...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...心の中に巣食った何ものかに始終じくじくと責め立てられているのだが手足がこれにともなわない...
矢田津世子 「父」
...水田の土がまだじくじくと柔かい時分に...
柳田国男 「こども風土記」
...半刻(はんとき)ばかりじくじく云って...
山本周五郎 「柳橋物語」
...その前方には悪夢めいた暗い虹色の可塑的な円柱が腐臭をまき散らしつつ直径五メートル(*38)の膿瘻いっぱいにじくじくと広がり不浄なる速度を加え進路上には再び募り行く青白い深淵の蒸気が螺旋を巻いていたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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