...この水のじくじくした沼の岸にたたずんでひとりでツルゲーネフの森の旅を考えた...
芥川龍之介 「日光小品」
...じくじくと考えている彼の眼がきゅうに輝きだして...
有島武郎 「星座」
...じくじくと水がしみこんできた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...じくじく水の湧いた楕円形の面だ”と思う...
海野十三 「第四次元の男」
...私は長い一帯のじくじくした砂地を徒渉しなければならなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...血がじくじくとじゅうたんを濡らして行くのを...
高見順 「いやな感じ」
...渣滓(おり)の滲み込んでいるじくじくした樽の破片にかじりついて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...並みはずれに身長(たけ)の詰ったじくじくした体や色の蒼白い細面なども...
徳田秋声 「足迹」
...じくじくと水づき...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...濡れた海綿(かいめん)を圧(お)すようにじくじくする...
夏目漱石 「琴のそら音」
...そのとき指と指とのあひだに生ぐさい液体がじくじくと流れてゐるのをかんじた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...粘土(ねばつち)に蘆(あし)が一面に生い繁(しげ)ったところをじくじく流れる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...草履(ぞうり)の下では水ぎわの泥土がじくじくと踏みつけられた...
本庄陸男 「石狩川」
...池水がじくじく蹠(あしのうら)に沁(し)みてそりゃ冷たいんですて...
室生犀星 「不思議な国の話」
...半刻(はんとき)ばかりじくじく云って...
山本周五郎 「柳橋物語」
...この夜中に真白な粘液だけがひとりじくじくと鮮やかに流れていた...
横光利一 「上海」
...却って胸の中がじくじくと腐りはじめたのであろう丘子の...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...じくじくと滲みだし...
蘭郁二郎 「魔像」
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