...きゃっきゃっとうれしがったり恥ずかしがったりする貞世はその夜はどうしたものかただ物憂(ものう)げにそこにしょんぼりと立った...
有島武郎 「或る女」
...あの曲りくねった露路の中を野犬のようにしょんぼりと帰ってくるのだった...
池谷信三郎 「橋」
...しょんぼりと立っていました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...悄然(しょんぼり)と立っているばかり……そして焼け跡には...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...客席の隅にしょんぼり坐ってましたよ」と云った...
田中貢太郎 「寄席の没落」
...たった一人しょんぼり客待ちをしていた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...しょんぼりと俯向いている...
豊島与志雄 「復讐」
...あのしょんぼりした姿が...
豊島与志雄 「ものの影」
...泣出したい気持でしょんぼり空を眺めた...
中島敦 「虎狩」
...お前は文三郎といったね」店先にしょんぼり立っている少年に平次は注意を払いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ふだんの大きさに比べると情けないくらいかぼそいたくさんの足が自分の眼の前にしょんぼりと光っていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...しょんぼりと顔を上げて...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...一人でしょんぼりと私を待っている節子の寂しそうな姿を頭に浮べると...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...足の痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立ったのです...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...その前にしょんぼりひとりの子供(こども)が立ってこっちを見ているときなどは思わず...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...この辺を夕方しょんぼり行ったり来たりしてゐたのを見た人もあると云った...
宮沢賢治 「山地の稜」
...しょんぼりと靴先でくりかえし道に線を引いていた姿が...
山川方夫 「待っている女」
...もう今年で七年になります」と云うと妻木君は悄然(しょんぼり)とうなだれた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
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