...保吉もまた二十年前(ぜん)には娑婆苦(しゃばく)を知らぬ少女のように...
芥川龍之介 「少年」
...まだ娑婆気(しゃばッき)のある頃は...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...「どうと云うわけもないが」云い方を考えて、「なんと云うのか、家が収まらん、兄貴が死にでもすると、家がめちゃめちゃになるのだ」「まさか、そんなことはないだろう、華美(はで)ずきで、あちこちへ往くようだが、てきぱきして、家のことでもなんでも、兄さんにかわってやってるじゃないか」「それがいけないのだ、出しゃばって、華美好きな女なんて、ろくなことはしないのだ」「無駄づかいでもするのか」「無駄づかい、無駄づかいも、衣裳(きもの)道楽とか、演劇(しばい)道楽とか、そんな道楽なら、たいしたこともないが、いけないのだ」「それじゃ、素行(みもち)でもわるいのか、演劇(しばい)なんかへ往ってると、俳優と関係があるとかなんとか、人はへんなことを云いたがるものだよ、何かそんな噂でもあるのか」「そりゃ聞かないが、あんな女だから、そんなことを云われてもしかたがないよ、困った奴よ、児は小さいし、もし、兄貴でも死んだら、どうなるか判らないからね」「兄(あに)さんが死んでも君がありゃ、大丈夫じゃないか、君が広坊の後見をして、しっかりやるなら、なんでもないじゃないか、それとも姉さんが、君を邪魔者にして、兄さんにたきつけるのか」「そうでもないが、姉貴はじめ、家の雰囲気(まわり)が厭(いや)なんだ」「そうか」賢次はふと考えて、「君、いっそお媽(かみ)さんをもらって、別家したらどうだ、気もちがかわって、いいじゃないか」「俺(おいら)は、今、細君(にょうぼう)をもらう気がしないのだ」「何故だ」「何故と云うこともないが、もらう気がしない」その時階下(した)から嬰児(あかんぼ)の泣き声が聞えて来た...
田中貢太郎 「春心」
...でしゃばりのホームズさんよ...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...娑婆(しゃば)へ出てきたときは狂人であったが...
徳永直 「冬枯れ」
...変な出しゃばりおやじもあったものだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...こいつがにゅうとこっちの方へ出しゃばって...
中里介山 「大菩薩峠」
...厭離一切娑婆世界(おんりいっさいしゃばせかい)の厭世観(えんせいかん)は...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...「出しゃばりとか...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「だいこんはでしゃばるのが嫌いだったな...
久生十蘭 「だいこん」
...出しゃばるな」そう叫ぶと...
火野葦平 「花と龍」
...その出しゃばり巡査はおそらく罰俸(ばっぽう)でも食って郡部へまわされでもしたことだろうが...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...ここにはじめて娑婆(しゃば)の空気を吸いはじめたのである...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...停車場(ていしゃば)の前の...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...娑婆(しゃば)の人間は日曜日だの暑中休暇だのと一年中には沢山な休みがある...
村井弦斎 「食道楽」
...それは用のない時にいやにうるさく出しゃばるかと思うと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...脱兎(だっと)のごとく大廊下(おおろうか)から武者走(むしゃばし)りににげだした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...公書(こうしょ)のお使者番(ししゃばん)となってまいられた星川どのか」「は...
吉川英治 「神州天馬侠」
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