...蒼黄いろい空の下にしめやかな荒村(あれむら)があちこちに横たわっていささかの活気もない...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...しめやかな黒い大きな目をして...
鈴木三重吉 「女の子」
...そこにもこゝにも蜩がしづかにしめやかに鳴きかはしてゐた(みん/\蝉は先日来いくたびも聴いたが)...
種田山頭火 「行乞記」
...そして何とまじめな句かよ)・ほしものほどようほせた藤の花・ゆふべしめやかな土へまいてゆく・影は若葉で柿の若葉で(十二日の月)・ずんぶりぬれて枯れて一本松(追加)今日の買物一...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...まことにしめやかな会合ではあつた...
種田山頭火 「其中日記」
...ただようやく聞取れるか聞取れぬほどのしめやかな私語の声であった...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...しめやかに話している...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...しめやかな爪弾(つまび)きの音などが旅客の哀愁をそそった...
徳田秋声 「黴」
...慌しいようでしめやかな夕暮のなかを...
豊島与志雄 「反抗」
...しめやかな茶臼の音は今も耳にのこって遠いとおい昔を偲(しの)ばせる...
中勘助 「島守」
...こうしてしめやかに人生の最後の安息所へのお参りに足を運ぶ人とが...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜にいりて雨やまざれど俄かにおもひ立つことありて久保博士をおとなふしめやかに雨の淺夜を籠ながら山茶花の花こぼれ居にけり俄かに九度近くのぼりたる熱さむることもなく...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...しめやかとも言えるような空気がこの広い場所を領し...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...光太郎はふと十月二日の巴里のレ・モール(死者の日)のしめやかなようすを思いだした...
久生十蘭 「黄泉から」
......
三好達治 「故郷の花」
...しめやかな感じのする風采(ふうさい)の宮がすわっておいでになるのも艶(えん)であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それが子たちの童心をも異様にしめやかにするので...
吉川英治 「新書太閤記」
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