...しめやかに冴(さ)えた座敷の空気をふるはせて...
芥川龍之介 「枯野抄」
...*ゆふぐれのかげのなかをあるいてゆくしめやかなこひびとよ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...しめやかに土の香ひす...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...飲んでも酔はない二人であるく(樹君に)日記といふもの改作再録・ゆふなぎしめやかにとんでゐるてふねてゐるてふ・病みて寝てまことに信濃は山ばかり・ちんぽこもおそそもあふれる湯かな(千人風呂)山があれば山を観る雨のふる日は雨を聴く春...
種田山頭火 「其中日記」
...そしてしめやかな夕暮...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...声しめやかに響しづかに...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...しめやかに問答をする...
中里介山 「大菩薩峠」
...一度(ど)でもしめやかに語(かた)り合(あ)うた兩性(りやうせい)が邂逅(であ)へば彼等(かれら)は一切(さい)を忘(わす)れて...
長塚節 「土」
...宵の内から降り出したしめやかな秋雨が...
南部修太郎 「疑惑」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...しめやかな音樂のめろぢいのやうなものだ...
萩原朔太郎 「宿命」
...さわいでさわいで騷(さわ)ぎぬかうと思(おも)ひますとて手(て)を扣(たゝ)いて朋輩(ほうばい)を呼(よ)べば力(りき)ちやん大分(だいぶ)おしめやかだねと三十女(おんな)の厚化粧(あつげしよう)が來(く)るに...
樋口一葉 「にごりえ」
...あの女と二人ぎりでしめやかな物語がして見たい...
堀辰雄 「姨捨」
...その老夫婦はこの椅子一つのためにどんなに心をなやましたことであろうか?……それらの古びたいくつかの家具がしめやかに語りだすところの...
堀辰雄 「恢復期」
...しめやかにおちついていた...
山本周五郎 「めおと蝶」
...夜に入りて雨の音しめやかに...
夢野久作 「白くれない」
...しめやかな夜(よる)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...物の哀れとしめやかな愛情とを核心とする日本人の芸術は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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