...僕は時々トックの家(うち)へ退屈しのぎに遊びにゆきました...
芥川龍之介 「河童」
...まっ暗に襲いかかる波のしぶきをしのぎ分けて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...先づ寒さしのぎにとて...
大町桂月 「足柄の山水」
...まるで急場しのぎにやってのけたといった様子だった...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...官営の美術展覧場に賤(いや)しき画工ら虚名の鎬(しのぎ)を削れば...
永井荷風 「江戸芸術論」
...無智なる観客を相手に批評家と作家と俳優と興行師とが争名(さうめい)と収益との鎬(しのぎ)を削合(けづりあ)ふ劇場の天地を一日も早く忘れたい...
永井荷風 「海洋の旅」
...腹の中では鎬(しのぎ)を削り合って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...里子は何時までたつても、別れませうとは云はなかつたけれども、身についた仮装で、その場しのぎに、獣と化した直吉をあしらつてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...秋になつたので多少しのぎ好くなつた...
牧野信一 「極夜の記」
...どうかおしのぎ下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お湯に入らなければ何ともしのぎかねるというところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今年の夏はしのぎ難いそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寒暑をしのぎ、谷を渡り山を越え、兎の後を追う猟夫のごとし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鎬(しのぎ)を削りあってきた宿敵...
吉川英治 「剣の四君子」
...ここを先途(せんど)としのぎを削ったので...
吉川英治 「三国志」
...この大飢饉をしのぎ...
吉川英治 「三国志」
...……そして尾籠(びろう)な話じゃが、雪隠(せっちん)の中で、退屈しのぎに、細々(こまごま)と読んでしもうた」「まあ、ひどい」「一切(いっさい)の理由(わけ)が、そこで、分ったよ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いい退屈しのぎを持っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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