...まっ暗に襲いかかる波のしぶきをしのぎ分けて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...青銅(からかね)の王子の肩ではなかなかしのぎがたいほどになりました...
有島武郎 「燕と王子」
...新らしき者が旧き者と鎬(しのぎ)を削(けず)る...
石川啄木 「初めて見たる小樽」
...蟹の生肉に餓をしのぎ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...しのぎ通せるんだ...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...生木(なまき)を焼(たい)て寒(さむさ)を凌(しのぎ)且(かつ)明(あかし)となし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...時おりは為(しよ)う事なさの退屈しのぎから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その頃彼女は退屈しのぎに神戸へ仏蘭西語の稽古(けいこ)に行っていて...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...いやしくも飢えをしのぎ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...気狂が集合して鎬(しのぎ)を削(けず)ってつかみ合い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そうだ、ひとつ、退屈しのぎに、からかいに行ってやろうか――島抜け法印、残りの白丁を振って見て、――こんなことなら、独りでがぶ飲みをするんじゃなかったが、それでもまだ、あいつが、ほろりとするぐれえは残っていらあ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...幸きのうはいく分しのぎよかったから引越しにはもって来いでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寸土尺地にも鎬(しのぎ)を削りあって他事もない有様の折である...
吉川英治 「上杉謙信」
...だのに、怖いもの知らずの若殿は、そういう異変の予報をうけた翌日、しかも逢う魔が時という夕暮をことさらに選んで、「べつに用もないのじゃが、退屈しのぎに、ちょッと染屋の観音まで歩いて行ってみる...
吉川英治 「江戸三国志」
...まだ何とかしのぎもついてゆく...
吉川英治 「三国志」
...互いにしのぎを削り...
吉川英治 「新書太閤記」
...鎬(しのぎ)を削(けず)っていましたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...一時しのぎの糧米が手に入った...
吉川英治 「源頼朝」
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