...三味線太鼓が鎬(しのぎ)を削って打合う様子じゃ...
泉鏡花 「歌行燈」
...この島のどこよりも暑さがしのぎよかった...
海野十三 「恐竜島」
...」居合腰にきざみこむでくる芥川の言葉にはしのぎもつかず默つてゐた僕も...
小穴隆一 「二つの繪」
...幸い今は列国が欧州の広野に鎬(しのぎ)を削っている...
大隈重信 「日支親善策如何」
...茶を喫しながらかれらは退屈しのぎをしたものである...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...いい退屈(アンニュイ)しのぎができた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...ほんの一杯飲ませてくれ――相手の来るまでの退屈しのぎにな」「少しぐらいならかまいません」「許してもらえるかな」「飲み過ぎて...
中里介山 「大菩薩峠」
...一時しのぎの傾向が...
林芙美子 「浮雲」
...たとえ一時しのぎにでも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...俺達のしのぎはちっとも悪かない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...どうせ湯治場の退屈しのぎ...
正岡容 「寄席」
...きょうは六十六度ほどで、曇ってもいるし、しのぎよいが、昨日は又八十度越しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あらゆるペテンを尽して鎬(しのぎ)を削っている……というような...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しばらく敵の矢をおしのぎあれ」矢攻めの中に立ち往生している曹操へ向って...
吉川英治 「三国志」
...鎬(しのぎ)をけずった有名な戦場(せんじょう)で...
吉川英治 「神州天馬侠」
...暮れては雨露(うろ)のしのぎにも困り...
吉川英治 「新書太閤記」
...三名は、麓(ふもと)の農家で、充分に体をあたため、飢えをしのぎ、あつく礼をのべて、やがて昨日(きのう)とかわらぬ冬の日の温かい街道へ立ち出でた...
吉川英治 「親鸞」
...……そして尾籠(びろう)な話じゃが、雪隠(せっちん)の中で、退屈しのぎに、細々(こまごま)と読んでしもうた」「まあ、ひどい」「一切(いっさい)の理由(わけ)が、そこで、分ったよ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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