...三味線太鼓が鎬(しのぎ)を削って打合う様子じゃ...
泉鏡花 「歌行燈」
...先づ寒さしのぎにとて...
大町桂月 「足柄の山水」
...西に赤倉(あかくら)の高嶺(かうれい)雲を凌(しのぎ)て衆山(しゆうざん)これに双(なら)ぶ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...鎬(しのぎ)を削(けず)り合い...
谷崎潤一郎 「鍵」
...羽目板(はめいた)はところどころずり落ち雨戸もまだついていないゆえほんの雨つゆのしのぎになるばかり...
中勘助 「島守」
...会議の議事整理で老館長たちをしのぎはじめた...
中井正一 「図書館協会六十周年に寄せて」
...決して諸君の退屈しのぎになるような面白い事柄では無いのです」玉置子爵は...
野村胡堂 「古城の真昼」
...互に心肉の鎬(しのぎ)を削っている...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...連中のしのぎは控えめに言っても特殊だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...実はこれから、くつろいで、寝酒をと思うたところだが、寒さしのぎ、ひと口つき合ってまいられぬか?」――ふうむ、こいつ、変な気持を起しやがったな――男ッて奴あ、どいつもこいつも何てのろ助ばかりなんだろう――島抜け法印は、谷中の寺にいるばかりじゃあねえ、ここにもいたよ――二本差しなだけで、この男も、あのいが栗とちっとも違やしない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...親の愚かさよりつれ合いのおろかさは何倍かしのぎにくい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それでも幾分しのぎようございます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...中外商業新報から僅かな稿料が入って二三日のしのぎがついた...
山本周五郎 「青べか日記」
...きわめて粗末なただ雨露をしのぎ...
吉川英治 「三国志」
...「こらっ、何処へゆく」ふと、ひとりの兵が、閣の廊をうかがって、近づいて来たので、典韋はさっそく、退屈しのぎに、呶鳴りつけた...
吉川英治 「三国志」
...喧嘩のしのぎもけずりあい...
吉川英治 「私本太平記」
...暮れては雨露(うろ)のしのぎにも困り...
吉川英治 「新書太閤記」
...鎬(しのぎ)の血を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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