...しのぎ通せるんだ...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...拙者はそのしのぎをつけている...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...いやしくも飢えをしのぎ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...暑さしのぎに銀座会館の裏から築地河岸(つきじがし)へと舟遊びに出ており...
徳田秋声 「縮図」
...元来ならおれが山嵐と戦争をはじめて鎬(しのぎ)を削(けず)ってる真中(まんなか)へ出て堂々とおれの肩(かた)を持つべきだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...腹の中では鎬(しのぎ)を削り合って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酒の酔ひは一時しのぎなものだつたが...
林芙美子 「浮雲」
...一昨年の冬頃から安南を舞台にして華々しく鎬(しのぎ)を削ることになったが...
久生十蘭 「魔都」
...たとえ一時しのぎにでも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まさしく鎬(しのぎ)を削って売り出し中だった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...彼が方法叙説第三部における道徳論を暫定(ざんてい)的な或(ある)いは一時しのぎのものと称したことは極めて特徴的である...
三木清 「人生論ノート」
...水を打つといくらか空気もしのぎよくなるかと思って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は南京虫にくわれると実にひどくてアンモニアをつけてやっとしのぎました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのしのぎの仕度が大変です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ここを先途(せんど)としのぎを削ったので...
吉川英治 「三国志」
...遠路をしのぎてたちまちに参洛(さんらく)しおん大事に会(あ)ふの条御感(ぎよかん)ななめならず……という特別な叡慮(えいりょ)も辞句にはいっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...いい退屈しのぎを持っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...友情は愛ではなくてただ退屈しのぎの交際であった...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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