...それからかれこれ十合(ごう)ばかりは互に(しのぎ)を削(けず)りました...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...寒(さむ)さだけはいくらかしのぎやすいのではないか?」「ぼくだって...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...この島のどこよりも暑さがしのぎよかった...
海野十三 「恐竜島」
...蟹の生肉に餓をしのぎ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...幸い今は列国が欧州の広野に鎬(しのぎ)を削っている...
大隈重信 「日支親善策如何」
...もとより気の利(き)いた料理屋などのある町でないのは分っていたから一時のしのぎに体をぬくめさえすればいいのでとある饂飩屋(うどんや)の灯を見つけて酒を二合ばかり飲み狐(きつね)うどんを二杯たべて出がけにもう一本正宗(まさむね)の罎(びん)を熱燗(あつかん)につけさせたのを手に提(さ)げながら饂飩屋の亭主がおしえてくれた渡し場へ出る道というのを川原(かわら)の方へ下って行った...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...略(ほゞ)勢力の伯仲する両家が鎬(しのぎ)を削って争っていたのでは世の中がいつも騒がしく...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...まるで急場しのぎにやってのけたといった様子だった...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...」一寸まごついた其場しのぎの返事をして...
豊島与志雄 「月明」
...冗談や退屈しのぎ半分でこんなことをしはしません...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...わずかに雨露をしのぎながら...
堀辰雄 「曠野」
...藤田の両雄が互いにしのぎを削って相争ったという数学史上の大事件が...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...独自の集注でおしのぎになることを...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのしのぎの仕度が大変です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...両方が互いにしのぎをけずってせりあうところを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ何とかしのぎもついてゆく...
吉川英治 「三国志」
...住む伽藍(がらん)は殿堂をしのぎ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...渡してやるもやらねえもあるものか」助広の鎬(しのぎ)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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