...粗膚(あらはだ)の蓬起皮(ふくだみがは)のしなやかに飢(うゑ)にや狂ふ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...白い腕をしなやかに辻永の腰に廻して艶然(えんぜん)と笑っていた...
海野十三 「地獄街道」
...しなやかに、しろくすずしく身ぶるひをする手のむれは、今わたしのあたまのなかの王座をしめて相姦(さうかん)する...
大手拓次 「藍色の蟇」
...女の指のやうにしなやかに躍つてゐる葉のむらがりと...
薄田泣菫 「水仙の幻想」
...両脚がしなやかに伸びて草花の茎のようで...
太宰治 「虚構の春」
...しなやかになつて...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...二本の隣りの指の間にぎごちなくこびりついてる薬指をしなやかにすることだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...頬白(ほゝじろ)か何(なに)かゞ菜種(なたね)の花(はな)や枯蓬(かれよもぎ)の陰(かげ)の淺(あさ)い雪(ゆき)に短(みじか)い臑(すね)を立(た)てゝ見(み)たいのか桑(くは)の枝(えだ)をしなやかに蹴(け)つて活溌(くわつぱつ)に飛(と)びおりた...
長塚節 「土」
...不断着(ふだんぎ)の銘仙(めいせん)さえしなやかに着こなした上...
夏目漱石 「草枕」
...絹障(きぬざわり)のしなやかに...
夏目漱石 「虞美人草」
...銀の FORK をしてしなやかに皿の魚を舞はしむる風月賀宴の手だ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...しなやかに手先をくねらせてしんねりと踊っている...
久生十蘭 「生霊」
...彼のごとくしなやかに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...新しくてしなやかに若い四肢をもとうとしている...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...白い頭と左腕をしなやかに伸ばして扇を拾いあげる……白鳥が何かをついばんでいる)(ユックリと身を立てたかと思うと...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...その肌はいっそうしなやかに...
山川方夫 「ジャンの新盆」
...彼女はしなやかに良人(おっと)の胸へ凭(もた)れかかり...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...長襦袢(ながじゅばん)の細長い体をしなやかに曲げて笑い転(こ)けた...
吉川英治 「松のや露八」
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