...けれどもそれはこのような夜の周囲にはほんとにしっくりと合った気分だった...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...女たちは金銀のケエプをしっくりと身体(からだ)に引き締めて...
谷譲次 「踊る地平線」
...それにできるだけしっくり適応するように努力しまた少なくも部分的にはそれに成効して来たものであることには疑いがないであろうと思われる...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...また彼女はジルノルマン老人としっくり調子が合っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...古い題材では矢張何かしっくりせず...
中島敦 「章魚木の下で」
...しっくり結びあうものはありません...
新美南吉 「いぼ」
...何か大旦那としっくり行かないことがあったそうだね」「そんなことはありません」「ゆうべは一と晩店の方にいたんだね」「いえ」「どこへ行ったんだ」「…………」小三郎は唇を噛(か)みました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「芝浜」が二になったのでしっくり来ない感じになったが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...小さな眼鏡を鼻にかけてしっくりその座に落ちついていた...
本庄陸男 「石狩川」
...第一は歌舞伎風の衣裳背景から出る雰囲気と西洋音楽とがしっくりとけ合わない...
三浦環 「お蝶夫人」
...しっくりと判らない気がしてなりません...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...彼の体と心とにしっくり合わなくなった...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...平生はしっくりといかぬ夫婦仲で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自身の選定した物がしっくりと似合っているかを源氏は見に行こうと思うのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すべてのものの調子がしっくり合うのは春の夕方に限るように考えられますが」と大将が言うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしが求める核心にしっくりあてはまる理由をも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なんですか気持がおちつきませんの」「それではまるでお婆さんのようではないの」「でもわたくしにはこれがいちばんしっくり致しますわ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...藤孝の人品は、光秀の気もちに、しっくり合った...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索