...笠井は広岡の名をいってしたり顔に小首を傾けた...
有島武郎 「カインの末裔」
...銀平したり顔に打頷(うちうなず)き...
泉鏡花 「活人形」
...厭世だの自暴自棄だの或いは深い諦観だのとしたり顔して囁いてゐたひともございましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...したり顔の御穿鑿はせぬことでございます...
太宰治 「右大臣実朝」
...友人、したり顔にて、あれがあいつの悪い癖、惜しいものだ、と御述懐...
太宰治 「斜陽」
...したり顔に腕組みなんかしている奴は...
太宰治 「鉄面皮」
...時々西洋へ出かけて目新しい機械や材料を仕入れて来ては田舎学者の前でしたり顔にひけらかすようなえらい学者でノーベル賞をもらった人はまだ聞かないようである...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...グッと自分の口中へ入れて見せてのしたり顔...
中里介山 「大菩薩峠」
...面白かった事、愉快であった事は無論、昔の不平をさえ得意に喋々(ちょうちょう)して、したり顔である...
夏目漱石 「草枕」
...したり顔に振り廻しているのかも知れない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この鑑定に間違いはあるめえ」朱房の源吉は本当にしたり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みんなしたり顔で生きている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...したり顔で偉らそうな口をきいたが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...汪克児(オングル)(したり顔に腕組みして...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...花房はしたり顔に父の顔を見た...
森鴎外 「カズイスチカ」
...学士(がくし)博士(はかせ)などいう人々三文(さんもん)の価(あたい)なしということしたり顔(がお)に弁(べん)じぬ...
森鴎外 「みちの記」
...したり顔で「足利家も源氏の御嫡流...
吉川英治 「私本太平記」
...したり顔の同心が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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