...葉桜の深翠(ふかみどり)したたるばかりの頃に候へば...
泉鏡花 「凱旋祭」
...ザアッと水のしたたる網が引きあげられる...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...水(みず)のしたたるようなそのお孃さんが...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...露のしたたる姿は...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...緑したたる菠薐草(ほうれんそう)は...
太宰治 「女生徒」
...したたるよ若葉の雫酒かとも昭和十三年五月三日友田恭助(その一)新劇壇一方の重鎮友田恭助君が...
辰野隆 「旧友の死」
...・日照雨ふる朝からぽんぽん鉄砲をうつ・晴れさうな竹の葉の露のしたたる緑平老に・あなたのことを考へてゐてあなたのたよりが濡れてきたそこらの嫁さん・麦まきもすんだところでお寺まゐりのおしろい塗つて┐・鋪装道路の直線が山へ...
種田山頭火 「其中日記」
...咲いてうつくしやむしあつく生きものが生きものの中に山からしたたる水であるまひまひしづか湧いてあふるる水なればかたすみの三ツ葉の花なり半搗米を常食として米の黒さもたのもしく洗ふへそが汗ためてゐる降りさうなおとなりも大根蒔いてゐるむすめと母と蓮の花さげてくる雷とどろくやふくいくとして花のましろく風のなか米もらひに行く日が山に...
種田山頭火 「草木塔」
...汗は淋漓(りんり)として満面にしたたるも...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...櫂(かい)からしたたる水は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...梢(こずえ)にしたたる雨の音が...
夏目漱石 「二百十日」
...滋味のしたたるやうな嬉しさだ...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...苦い味が毒のように心の上にしたたる...
久生十蘭 「南極記」
...水道栓からしたたる水の音がきこえるだけであった...
「赤い貨車」
...緑したたる柳の立木が不規則に並んで...
山本笑月 「明治世相百話」
...流水のしたたる音がきこえてきた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...指の間からしたたる血汐に着物の前を染めつつ...
吉川英治 「江戸三国志」
...生きもののような岩の肌からしたたる雫(しずく)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索