...血のしずくがしたたりおちるほどぶちましたから...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「旅なかま」
...雨の滴々(したたり)しとしとと屋根を打って...
泉鏡花 「縁結び」
...上からたれる水のしたたりは...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...日光の芳醇なしたたりを波々と掬ひ取らうとするこの花の姿には...
薄田泣菫 「独楽園」
...テーブルクロスのうえに数滴の血がしたたり...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...脇の下からはまだ冷たいものがたらたらと気味悪くしたたり落ちた...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...あんさんも飲んでごらんといってちちくびからしたたりおちているのを茶碗(ちゃわん)で受けてさし出しますから父はちょっとなめてみてなるほどあまいねといって何げないていに取りつくろっていましたけれどもお静がなんの意味もなく飲ませたものとばかりには思われませなんだので自(おの)ずと頬(ほお)があからんでまいりまして...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...顔にふるる芭蕉(ばしょう)涼しや籐(とう)の寝椅子(ねいす)涼しさや蚊帳(かや)の中より和歌(わか)の浦(うら)水盤に雲呼ぶ石の影涼し夕立や蟹(かに)這(は)い上る簀(す)の子(こ)縁(えん)したたりは歯朶(しだ)に飛び散る清水(しみず)かな満潮や涼んでおれば月が出る日本固有の涼しさを十七字に結晶させたものである...
寺田寅彦 「涼味数題」
...その眼からどうしたわけか涙がポトポトとしたたり落ちました...
夢野久作 「ルルとミミ」
...黒ずんだ赤い血のようなものがボトボトしたたりこぼれていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...まして私共の様に白髪のない栗色の髪の房々した若い精霊の目が御主に会うた時のあの露のしたたりそうな輝きと会わなんだ時のあの曇り様をお主は知ってじゃろうが……第二の精霊 そうじゃほんにおしい事じゃ...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...いつもの通り名も分らない髪に結って白い籐のかごの中にしたたりそうな葡萄の房の大きいのをいっぱい入れて腕にひっかけて居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...気味わるい色の飛沫(したたり)を一パイに撒(ま)き散らしたまま...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...赤の滴雫(したたり)を...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...その傍(かたわら)より蝋燭(ろうそく)の滴下(したたり)起り...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...流汗は馬背にしたたり...
吉川英治 「三国志」
...血のしたたりを濡らしまする...
吉川英治 「私本太平記」
...三尖刀(さんせんとう)と称して四ツの孔(あな)に八つの環(かん)がさがっている大刀に血のしたたりをみせ...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索