...そのしたたりが腕から離れて宙に飛ぶごとに...
有島武郎 「或る女」
...外套(がいとう)のしたたりを紅(べに)をさしたように赤らんだ指の先ではじきながら...
有島武郎 「或る女」
...その心臓からぽたぽた落ちる血のしたたりがおのずから字になったように図案された「乱れ髪」という標題――文字に親しむ事の大きらいな葉子もうわさで聞いていた有名な鳳晶子(おおとりあきこ)の詩集だった...
有島武郎 「或る女」
...それはとめどなくしたたり落ちた...
梅崎春生 「桜島」
...額から汗の玉が拭(ふ)いても拭いてもしたたり落ちた...
梅崎春生 「日の果て」
...甘そうな雫がしたたり落ちていました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...酒のしたたりのやうな露が光つてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...――さなり、冲(おき)つ嶋(しま)わの潜(かづ)き女(め)が、手(て)に阿古屋珠(あこやだま)擁(いだ)きて浮(う)きし濡髮(ぬれかみ)の、これや、したたり...
薄田淳介 「白羊宮」
...悲(かな)しびの酒甕(もたひ)に(した)むしたたりに...
薄田淳介 「白羊宮」
...岩の裂目(さけめ)からしたたり落ちている水を掌(て)に掬うて飲んだ...
田中貢太郎 「狼の怪」
...燭台(しょくだい)の玻璃(はり)に蝋のしたたりを添えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日毎にいたみしたたり...
萩原朔太郎 「幼き妹に」
...鍵の上を流れて床へしたたり落ちたのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...水がしたたり落ちるかと思われるほど...
火野葦平 「花と龍」
...したたり落ちる水の音...
三好十郎 「胎内」
...滝の音とは違ふ落ち水のしたたりがお亭の入口の方でした...
室生犀星 「名園の落水」
...燭涙ながくしたたりて...
森鴎外 「文づかい」
...汗は鬢毛(びんもう)に油としたたり...
吉川英治 「江戸三国志」
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