...渡瀬は膳の角でしずくを切って……もう俺の知ったことじゃないぞ……胡座(あぐら)から坐りなおって...
有島武郎 「星座」
...大きな露のしずくの上で...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「旅の仲間」
...壜(びん)の口からお酒を一雫(ひとしずく)と思いましたが...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...ぽとりぽとりと汗の雫(しずく)が垂れていた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...口喧(くちやか)ましい夫にかしずく様はむしろ人の同情をひくくらいで...
寺田寅彦 「イタリア人」
...それが円く大きく拡がって露のしずくを宿す頃には...
豊島与志雄 「蓮」
...」指先で二合罎を摘(つま)み出して灰の中へそっと雫(しずく)を落している...
永井荷風 「雪解」
...私が道端の溝川(どぶかわ)へ飛びこまなかったら、とても助からなかったろう……悪意がないものなら、そのとき車をとめるべきだが、私が溝川へ落ちこんだのを見ながら、車を返して、谷戸(やと)の奥へ逃げて行った……ゆるしておけないから、谷(やつ)のふところで、山岸カオルと話しているところへ行って、しょっぴいてやった」両国橋を渡りかけるころ、前窓(フロント)のガラスに、雨のしずくが、白い筋をひきはじめた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...顎からポタポタと汗のしずくを垂らしながら...
久生十蘭 「地底獣国」
...とんだものが一雫(ひとしずく)...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...櫂(かい)の雫(しずく)に泣いた詩の境地にいる気もした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏が愛して大事にかしずくことが世間に知れた今日では...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ばらばらとしずくが降りかかった...
山本周五郎 「契りきぬ」
...眼から涙を一しずく落した...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...のべつぽたぽたと雫(しずく)が落ちていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...刀の切っ先が血しずくを静かに落していた...
吉川英治 「剣の四君子」
...生きもののような岩の肌からしたたる雫(しずく)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...母は破れ洋傘のしずくで背の子を濡らすまいとするし...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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